2008年7月17日木曜日

【ロシアこぼれ話】お高まりなさいますな


動詞「高まる」の活用:高まる、高まります…… お高まってなさいませ 


 「お高まってなさいませ」!?

先日のベルリッツのロシア語版日本語動詞活用の小冊子の続きだ。試しに動詞「高まる」の活用のページを見てみよう。


日本語の「高まる」の意味は 「大きくなる、育つ、より大きな音になる」とある。 


高まる

高まります
高まろう
高まるだろう

ふむふむ。


高まりましょう


いや、藪から棒にそう言われてもアナタ!




高まれ

え!? なにそれ偉そう!


高まりなさい


ハイっ! とか思わず言いそうになるのはブラック企業出身者だからか。


いやいや、でもそんな用法を実際に日本語で聞いたことがないな…… 。


高まってください


いやいや、にわかにそう言われても心の準備も……。


お高まってなさいませ


着物を着た青い目のロシア人が正座して指をついて土下座しながら 「どうかお高まってなさいませ」とか言いだしたら、そうとう困惑するのではないか。私は困惑するね。


もちろんこの否定形もある。


お高まりなさいますな


いやだからね、そうそう高まっていませんったら。


敬語と謙譲語もある。


お高まりになる

お高まりなさる
お高まりにする
お高まりいたす

「先生は今日もお高まりなさっている」とか そんな例文だろうか。夏目漱石『こころ』ですかっ!? 中高生が読書感想文で選んでもぜったいに感想なんてうまく書けないあの小説ですかっ!? 恋愛や男の友情は別に美しくもなんともなく、自分は身を引くといいながらみんなの心の中に強烈な印象と罪悪感を残して自殺するKだって、相当のエゴイストなんじゃねえの? とか、感想文で書いても怒られるだろうなあ。


といいますか、「お高まり」になるのはだれがいったいなにをさ? 


そんな私をいわば「高まひひらせられる(ママ)」この本。 しばらく、楽しい読書をさせてもらうことになりそうだ。 私にとっては、ロシア語の勉強になるのだけどロシア語は正しいのでしょうかねえ。


と少し疑うのは、ちょっと意味が違うのではないかと思う例文を見つけたから。


杉本さんにコピーをさせてもらいました

сугимото-сан-ни копи-сасетэ мораимас(и)та
ところが、このロシア語はこう書いてある。 
Г-н Сугимото попросил меня сделать ему копии. 

 これは意味が違うんじゃないかな。このロシア語の文の意味は 「杉本さんが(彼のぶんを)コピーするように私に頼んだ」(杉本さんにコピーするように頼まれました)だ。 どちらの日本語でもコピーをするのは「私」。でも、誰のために(誰が使う目的で)コピーをするのかの意味合いが違う。


日本語の「杉本さんにコピーさせてもらいました」は 「彼のぶん」ではなく「私のぶん」を(私が使うために、お願いして)コピーさせてもらう意味だろう。「彼のぶんをコピーしてあげた」という意味で 「させてもらいました」はへりくだりすぎる。


 Я попросил г-н Сугимото, чтобы я сделал копии. かな。чтобы以下の主語が、以前の動詞と違うのでсделал と過去形となるはずだ。 これでようやく「コピーさせてもらえるよう杉本さんに頼んだ」 つまり「コピーさせてもらった」になるのではないか。 


 ああ、いけねえ。そんなところで高まっているんじゃねえよ、俺!

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