2008年10月12日日曜日

Flexaret VIの魅力


■Flexaret VIはいいなあ
現像したポジをようやくスキャンすることができた。やはりすばらしい。フレクサレットはよく写る!



フレクサレットのレンズの写りはなんだかとても魅力的だ。もちろん逆光で撮影すればハレ切りをしないかぎりフレアは出る。ボケ味もいかにも古くさいボケ方をするのがモノクロで撮るとわかる。ところが、カラーポジフルムで撮ってみると発色がすばらしいといつも思う。

なんというかこう、はっとさせられる色をする。色みに偏りがなくてくすんでしまわないからだろうか。 正確にいうと、我が家のものは古いレンズによくあるアンバー方向ではなく、シアン方向に色が転ぶ気がする。そのせいでこうして青い色を写してもきれいなのかな。

■対象の存在感を強調する
このベラーというレンズは「このレンズで写すと対象の存在感をさらに強調するような表現になる」とでもいおうか。大袈裟な言い方ではあることは承知のうえだ。私はクラシックレンズをそう使っているわけではないので、似た感じのものをほかに例に上げることがむずかしい。  

たとえば、私にとってはたとえば、自分で引き伸ばしをしていたころにELニッコールレンズ群やに、RAW現像して適度にアンシャープマスクをかけた写真にみるデジタル対応ニッコールレンズの解像感、そしてカール・ツァイス・イエナレンズのシャープさにはそれぞれ魅力を感じていた。「自分にとっての独自の存在感がある」という意味ではこのFlexaretのベラーレンズもそこに含まれる。ただし、その描写が似ているわけではない。解像感が高いというのではなく、全体のバランスがこうクラシックすぎない描写というのか。言っていることが抽象的すぎるなあ。

とにかく、その色みや階調描写を見ているとベラーレンズにもそんな「この道具をぜひ使いたい」と思わせる魅力があることはたしか。そして、フラットベットスキャナでスキャンした画像ではその魅力を伝えるのがまたむずかしい。こまったこまった。

【撮影データ】
Flexaret VI・Berar 3.5/80・F11 1/125・Ektachrome E100G