2021年9月30日木曜日

【鶴見線2012】冬の鶴見線海芝浦支線にて


■どうして鶴見線に行ったのか
古い写真をあれこれと見ていて……最近はそればかりだ。感傷に浸るのが目的ではなく、忘れていたような古い写真をきちんと見返して「今後の撮影ではここをこうしたい」と反省材料にしているつもり。それと、2021年9月末現在の自分の好みのRAW現像の手法で現像し直すと過去の写真がどう見えるか、という興味もある。

とにかく、2012年2月に友人たちと鶴見線に出かけたときの写真を見つけた。旧ブログには記事にしていたのにそれを引き継がないでいて、その存在を忘れていたのだ。

このときなぜ鶴見線に出かけることになったのかはいまでは思い出せない。当時の私は療養中だったし、外出やウォーキングを推奨されてもいたので、友人たちが声をかけて連れ出してくれたのだろう。ありがたいことだ。そこで、当時の記事を加筆しながらお目にかけたい。記事はいずれも2012年2月時点のものだ。

■冬の青空を受けて銀色の車体が輝く
銀色の車体に冬の太陽が反射してまぶしい。だが、空が青さはうれしくなる。そしてさいわいなことに風はあまり強くない。なにせ、自分たちがいまいるのは運河の目の前の駅だ。ただでさえ、列車の出発までの待ち時間は風に吹かれるほかに、やることがないのだから、もし風が強かったらお手上げだったろう。


■鶴見線「沿線」を味わいに来た
鶴見線に来た。ただしいつもの鉄道撮影とちがい、特定の車両の編成写真が目的ではない。あえていえば鶴見線沿線の雰囲気を撮りに来たとでもいおうか。

もっとも、ご一緒したお仲間はGR DigitalやCXシリーズというリコーのコンパクトデジタルカメラ、あるいはキヤノンPとソ連製距離計連動式カメラ「ドルーク」に標準レンズといった軽装なのに、私ひとりだけはドンケF-2にD2Xと20ミリ、35ミリ、50ミリ、85ミリ、180ミリのマニュアルフォーカス単焦点ニッコールレンズをやまほどつめ込み、キヤノンIXY Digital 2000 ISも持つという「鉄道撮影完全装備」なのだから、ちっとも説得力はない。もちろん、草ぼうぼうの線路をノロノロと走る205系電車を写すつもりはあった。


まずは、かの有名な国道駅で降りて高架下を写した。まったく手が入れられず、来るたびに荒廃していく感じが気になる。そして国道からは久しぶりに線路沿いを目指して歩いた。鶴見小野、弁天橋、浅野と歩みを進めた。工場の敷地のあいだを線路は走るために、道路は線路から離れてしまい遠回りになるものの、たいした距離はない。ただ、工場や会社がクモハ12が走っていたころとは変わっていて、なんとなく戸惑う。


■海芝浦ではじめて降りた
浅野からはためしに海芝浦支線に乗った。沿道を歩くことができる新芝浦までは何度も来たことがある。それなのに東芝関連会社の敷地内に着いてしまいホームからは出られない海芝浦には来たことがなかった。沿道に出られないので列車の走行シーンが撮影しづらいからだ。

さらに当時のさまざまな撮影記にある、改札を出ると関係者や訪問者しかいられない会社敷地内であり、「守衛に申し出て見張られながら帰路の切符を居心地悪く買った」という記述を読んで記憶していたので、悪いことをしているわけではなくてもおっくうに思えていた。


■明るい海を見るのは悪くない
列車の折り返し時間にレインボーブリッジや輝く冬の海をしばし眺めた。冬の海を眺めるなどと書くと、すごく陰鬱な印象を与えかねない。だが、太平洋側で明るい晴れの日に澄んだ海を眺めるのは悪くない。

乗ってきた電車で浅野まで引き返した。海を見たせいか気持ちは晴れやかだ。そういいながらも私が撮ったのはけっして明るい雰囲気の写真ではないけれど、もやもやとした気持ちがわずかに晴れたような、そんな記憶がある。


【撮影データ】
Nikon D2X/AI Nikkor 20mm f/2.8S, AI Nikkor 50mm f/1.4S, AI Nikkor ED 180mm F2.8S/RAW/Adobe Photoshop CC