2022年12月27日火曜日

【写真術のお話】ストロボ関連アクセサリーをあれこれと増強した話

これがGODOXってやつか!(なにかちがう)

■神牛始めました 
ここ7〜8年ほどだろうか。GODOXのストロボ(カメラ専門誌のように「ストロボ」と表記する。エレクトロニックフラッシュあるいはスピードライトのことね)が業務ユーザーのあいだで大きなシェアを得つつある。GODOXは深センの照明器具メーカーだ。「神牛」と漢字で書いてある。

フランクリン・ルーズベルトの時代のC-54(DC-4の軍用輸送機型)のアメリカ大統領専用機は"Sacred Cow"と呼ばれていたよね。oxとcowのちがいは……知らないのでググりました。oxは去勢されたオスでcowは牧場に飼われているメス……英語ってむずかしいわね。

世間さまでGODOXユーザーが増えているのは片目で見つつも、私自身はようすを見ていた。そうしてすっかり出遅れたんでやんす。なにしろ、機材を本格的に入れ替えするほどにはブツ撮りをしないのだもの。2018年〜2019年は2回も入院していたからさ。

■「たんに調光させるだけ」だから選んだ
それでも関心はあった。もっとも、私が導入したのはGODOX製品でも、評判の高いリチウム電池を使用してチャージ時間が短いハイスペックなストロボではなく、2.4GHzの送受信機FC16だけだ。

GODOXはいかにも現代の深センのメーカーらしく、短期間でモデルチェンジをどんどんと繰り返して、新機能もりもりの新製品を出す印象がある。Bluetooth接続でスマホからストロボの光量設定ができるようになるとか。日本メーカーがいまや慎重すぎて遅いだけなのかもしれないが。だから、送受信機も主力はストロボ同様に多機能モデルだ。

手に入れたFC16はストロボに向けて「調光しなさい」という指令を出すだけの単純なものだ。TTLで使えないしレディライトも連動しない。ハイスピードシンクロなんて夢のまた夢だ。おらの村には電気もねえ、じゃなくて、マニュアル調光での光量調整もストロボそれぞれの本体で行う必要がある。

カメラに向けてリモコンとして使うこともできる。各社向けの分類はこのカメラ向けリモコンとして使うケーブルの形状のちがいだけ。ストロボを調光させるには付属するケーブルは不要だ。

私はストロボ多灯撮影を自宅でするのに、シンクロケーブルを使わないようにしたくて導入した。ストロボもマニュアル調光で使うので「たんに調光させるだけ」の送受信機で十分だ。多機能ではないので操作に迷いようがないからこそ、興味を持った。

カメラ本体の送信機から2台のストロボ側受信機にワイヤレスで
「いま調光しなさいよ」と指令を出す。そんな使い方のために買った

導入した理由は、シンクロケーブルに脚をひっかけてライトスタンドを倒しそうだからだ。まだやっていないが自分のそういうところは信用をしないことにしている。そしてなによりも、送受信機がひと組でさんぜんえん程度だったから。まず1セット買ってみてなるほど、と思い、2台のクリップオンストロボを発光させたいのでもう1セット買った。受信機だけ買えればいいのにね……できないことはないらしいが、1,000円程度しか差がないそうなので、予備を兼ねて2セットにした。ひとつ余らせている送信機は予備ということにする。

これまでは2台のニコンのストロボ(ニコンとキヤノンはスピードライトと表記するものだが本稿では「ストロボ」)をマスター(主灯)とリモート(補助灯)に決めて、マスター側はカメラ本体とTTL調光コードで接続させ、リモート側はマスター側の発光に反応させていた。

この純正のやり方だと、マスター側のストロボでリモート側の光量調節ができ、マスターのレディライトはファインダー内で、リモートのレディライトは音声で知ることができた。便利なのはこの方式だ。ケーブルをひっかけなければ。TTL調光も後幕シンクロやハイスピードシンクロも対応カメラならばできるんじゃなかったっけ(使ったことがない)。

■こうして沼にはまっていくのかな
FC16を介在させると、ニコン純正ストロボの増灯撮影でもこのマスターとリモートという関係を解除してしまう。

それぞれのストロボ本体で発光量を個々に設定する必要がある。そうして手動で設定した発光量にしたがって、送信機からの「調光しなさい」という信号をワイヤレスで受信して、いわば「おのおのが勝手に」調光しているだけだ。レディライトもそれぞれを目視で確認しないといけない。

以前のように使うには、送受信機もX1やX2などの高機能モデルを使う必要があるはず。そうするとネイティブでX1やX2に対応しているV860シリーズなどがほしくなり、それをきっかけにADシリーズを使い始めるなどして、GODOX沼にはまっていくのでしょうなあ。業務で使うことから、サポート体制を考えると業務会員である純正ストロボのほうがよさそうなところも、本格導入には正直にいうとまだためらいがある。正規輸入版をKPIから買えばいいのか。壊れても自分で対応できるとか、安いから買い換えればいいや没問題! といえる心の広いひとにしか向かないと思うのだ。

ストロボ本体も、GODOXのリチウム電池内蔵でチャージ時間が早いものをそのうち使ってみたいが、以前ほどの「超割安感」はないのと、短期間に新製品があれこれ出て相関関係がわかりにくい。そういう理由でずっと送受信機も導入をためらっていた。このFC16は国内の代理店が取り扱っていないものだから、存在をいままで知らなかった。きっと安すぎるから取り扱っていないのだろう。ねんのために言っておくが、並行輸入品でも技適マーク入りのものを買った。現地製日本語説明書も付属する。

椅子脚ソックスがぴったり

なお、安いから構わないがケースなどは付属しない。もともとの透明プラスチックのケースに収納するのもかさばるので、なにかないかと思っていたらホームセンターで売られている椅子脚ソックスがジャストサイズだった。なくしても入手しやすいところも好都合だ。使わないときはそれに入れておくことにする。ガチャガチャとぶつけて傷をつけたり壊しかねないからね。

■ニコンのストロボ関連アクセサリーの豊富さは健在
上記の送受信機のように「自宅ブツ撮り環境」をいろいろ改善し、さらには冗長性を持たせるためにいろいろな細かいアクセサリーを今年はいろいろと入手した。GODOXの送受信機だけに頼って現場で発光しない! などという恐ろしい目に遭うのが怖いから。ニコンのアクセサリーは以前ほどの豊富さはないが、それでもストロボ関連のものは種類が多い。口うるさい業務ユーザーに培われたからという感じ。

ただし、かの半導体不足の影響で入手困難になっているものもあるのでご注意。

TTL調光コードSC-29

まずは「TTL調光コードSC-29」。本稿執筆時の2022年12月現在メーカーで受注停止になっている。そのまえに入手できて運がよかったのかも。密林などでTTL調光が可能なサードパーティ製ケーブルはほかにもたくさんある。もっとずっと安価だ。

有線の確実さはあるから予備としても今後も活躍はしてもらう。
Dfにはコイルコードがなんだか似合う気がするし

いままで*帯*路の安価なものを使っていたのだが、10年ほど使用したところゴムの硬めの被膜が劣化して剥がれて、触れたら感電してアウトというようなおそろしい状態になった。モトはとった気はするけれど気に入らないな。

そこで純正のお高いケーブルを買ってみたところ、しなやかでいい感じだ。古風な感じをなんとなくさせてコイルコードはおもしろいと思う。むかしの黒電話や公衆電話の電話機がコイルコードだったからか。

ホットシューアダプターAS-15はシンプルな美しさがある気がする(病気かな)

ほかにも、シンクロソケットのない機種にシンクロケーブルを接続させる「ホットシューアダプターAS-15」。これは昨年の一時期は生産が遅れていた。今年になってからは買うことができた。用品メーカーから似たものはいくつもあるが、シンプルな意匠はニコンAS-15がまさる。そして、Nikon Dfにはシンクロソケットがあるところもおもしろい。

内蔵フラッシュ用赤外パネル SG-3IRは、内蔵フラッシュを
コマンダー発光させるものの、直射光は欲しくはない場合に使う。
直射光を使うことは私はまったくないし

内蔵フラッシュのある機種でほかのクリップオンストロボと赤外線通信をさせつつ、カメラ本体の内蔵フラッシュの光は遮る「内蔵フラッシュ用赤外パネル SG-3IR」も手に入れた。本気を出せばプラバンと蝶番で自作できそうな気もするのだが。プラスチック製だが関節部分も精巧でしっかりしている。

あと、ニコンとキヤノンはクリップオンストロボは「スピードライト」(欧文表記はニコンは"speedlight"でキヤノンは"speedlite"とつづりがことなる)というのに、カメラ内蔵式のものはニコンは「内蔵フラッシュ」、キヤノンは「内蔵ストロボ」というのはおもしろい。

上記のTTL調光ケーブルもホットシューアダプターも、ニコンの国内工場製ではなく、たとえばここのようなどこかのメーカーの海外工場に生産を依頼しているOEM製品だろうと想像しているが、「ニコンブランド製品らしいきちんとした感じ」がある。各カメラメーカーのストロボ本体も上記の会社の製品ではないならば、あるいはおそらくあの会社だろうし。

ただしおそらくは、もともと製造数を絞っていただろうに、さらに、昨今のあれがああで流通があれになってしまい、大陸からの部品があれだとか。おまけに製造数の読みが外れてしまったので受注停止しているのだろう。勝手な想像だが。

■アンブレラを変えたら色みが 

アンブレラは骨の強いものにしてみたよ

自宅で筆者がブツ撮りを始めたときは、クリップオンストロボの光を拡散させるために、バンクやソフトボックスを使っていた。だんだん組み立てに横着するようになってからは、アンブレラを使っている。そして、数年前からはベルボン「アンブレラクランプUC-6」に付属していた折りたたみ式のアンブレラを常用していた。携帯する際にも小さくなって便利だったからだ。

ところが、このアンブレラの内側の白い塗料が劣化してしまった。そこで、折りたたみ式は諦めて通常の雨傘のようなアンブレラを買った。

それを使い始めてから、写真の色温度のちがいが気になってきた。つまり、いままでの傘と白の色みがことなるのだ。白色度がことなるというのか。

いままでのアンブレラが劣化して黄ばみ始めていた可能性もある。ホワイトバランスの調整具合をいまちょっと悩んでいるところ。

なお、買ってみたアンブレラは鉄骨ではなくグラスファイバーで骨ができている。いい感じ。ただし、外のロケに持ち出したことはまだない。

■マンフロットも増えた




さらに、ライトスタンドにクリップオンストロボを設置しアンブレラを支えるホルダーをマンフロット「スナップティルトヘッド」(スナップティルトヘッド ストロボ用 16mmメス ブラック MLH1HS-2)に交換した。

クリップオンストロボを固定するシュー部分がきっちりしているのと、アンブレラの角度調整がきちんと締まる。ここがゆるみやすいホルダーは非常に多いのだ。


ただ、このホルダーにクリップオンストロボを直接載せると、アンブレラの中心に光を向けづらい。だから、家にあった小型雲台をエツミのシューアダプターを介してつなぎ、クリップオンストロボの発光部を傘の中心に向けることができるようにしている。


こうして2022年は終わっていきそうだ。外には撮影に出る機会が少なかったが、家で仕事の写真は撮っていた。写真からは離れられないが、来年度以降はより効率を高めたい。

■2022年もご愛読ありがとうございました
きっと年内はこれ以上更新できそうにありません。アフィリエイトリンクのたくさんある記事で読み物としてはいまひとつかもしれないエントリーで申し訳ございません。「ちぇっ、アフィカスでごめん☆」

来たるべき新しい年のみなさんの写真趣味生活と社会生活のいっそうの充実をお祈りします。ご愛読ありがとうございました。来年こそはおだやかな一年でありますように。

【2024年2月追記:アマゾンアフィリエイトリンクを削除しました】