2010年9月29日水曜日

【上信電鉄撮影記事】「ひとは誰でもしあわせさがす旅人のようなもの」上信電鉄999を撮る

赤と青がどちらも青空に映える

■3000人以上の集客があった「上信電鉄鉄道感謝フェスタ」
高崎駅そばの上信電鉄本社で行われた上信電鉄鉄道感謝フェスタは、朝日新聞や毎日新聞、地元紙が報じたところによると入場者数3000人を数えたという。

♪夢が散らばる 無限の宇宙さ

デキ1型がイベントの主役だったからな。各紙でデキは来年に復活運転させると出ていたので、来年もまた楽しみだ。

■歌詞を聞いてほほを熱いものが伝うのはなぜか
それにしても暑いし日差しが強い。早起きしたせいでまぶしい。そんなぼんやりした頭で会場内をうろうろしていて、そこを流れている『銀河鉄道999』の主題歌をひさしぶりに聴きながら歩いていた。

星の架け橋 わたってゆこう

松本零士原作のアニメをテレビで見ていたのは、団塊ジュニアの「ロスジェネ」くらいまでか。いまの人たちは999なんて知らないだろうな。と、正直言うと各社の銀河鉄道999ラッピングにはやや批判的な私。いまが1980年代ならともかく、21世紀なんだぜ……。「銀河鉄道999」って、子どもの頃に見ていたけれどとても暗い気持ちになる話だよな。決して愉快な冒険活劇なんかではない。不死を得ようとする主人公が旅を続けていくにつれて、永遠の命はありえないと思い至るのだから。

ひとは誰でも しあわせさがす/旅人のようなもの

でも、どういうわけかこのくだりを聴いていて急に涙がこみ上げてきた。すぐに涙腺がゆるむなんて俺もオヤジだ。でもなぜ? ノスタルジア? 少年時代にはあり得たかもしれない別の未来を惜しんで? 

沿線の大学生のみなさんとコスプレイヤーの方を撮らせてもらった

■みんなが楽しそうだからいいんじゃない
で、なんだか涙腺のゆるみがもたらすカタルシスもありまして。我ながらなんと単純な。『銀河鉄道999』の話が暗くても、そんなことはどうでもいいじゃないか、という気持ちになった。こうしていろいろな親子連れが思い思いに上信電鉄を楽しんでいて、穏やかないい雰囲気なんだから! 

希望の星へ めぐりあうまで/歩き続けるだろう

そう、我らが西武新101系電車がこんなに愛されているんだ。昭和50年代までの上信電鉄はオリジナル電車を揃え、優等列車も運行するなどとても頑張っていた。そんな時代のオリジナル電車と分け隔てせずに……というか、むしろ西武譲渡車をラッピングで主役にして扱ってくれているのだ。西武ファンの聖地がここにある。そんな西武ファンの「希望の星」にたどり着いたのだ、私だって。ちょっと強引な論理の展開かもしれない。

入れ替えを行って下仁田行き列車に

きっといつかは きみも出会うさ/青い小鳥に

999号は西武新101系ファンにとっての青い鳥かもしれないな。あ、流山にもいるか。あちらも西武ファンのメッカですなあ。そりゃ強引か。

■沿線でも撮った
さてさて、999号は臨時運転を行い、999キャラクターのコスプレをした地元の学生さんとどうやら有名らしい方も同乗して下仁田まで往復したのち、イベント終了後は終日運用に入っていた。天候が崩れてきたので、下仁田までは行かずに根小屋付近と上州福島-上州新屋のあいだに私はいたけれど、元西武新101系である500形は2編成とも運用に入ってくれていたので、実に効率よく撮影できた。

西武沿線でこんなに新101系前パン車を撮れたことはない。ありがとう、999号! そして、イベントを企画・運営してくださった上信電鉄の関係者のみなさんに改めて感謝いたします!

暗くなるまで追いかけた

※歌詞はいずれも『銀河鉄道999』(作詞:橋本 淳/作曲:平尾昌晃/編曲:青木 望/ 歌:ささきいさお、杉並児童合唱団)より引用

【撮影データ】
Nikon D2X/AI AF Nikkor 24mm f/2.8D, AI AF Zoom-Nikkor 80-200mm f/2.8D ED <NEW>,/RAW/Adobe Photoshop CC