2010年8月19日木曜日

【多摩地区昭和の電車巡り:前編】なつかしの京王「帝都」電鉄


踏切は鳴り始めてほどなくして音量が変わるタイプ。遮断機が下りてしばらくすると、「特急新宿行き」が猛スピードで目の前を通過する。今日も暑い。そして、踏切が開くのかなと思いきゃまだ警報機は小さめの音で鳴り続ける。すると、ゆっくりゆっくり急カーブを曲がってやって来たのは競馬場線の6000系6416編成リバイバルカラー車だ。初めての訪問でいきなり出会えるとは幸運だ。



私たち親子のお盆休み最終日。我が乗り鉄チビッコの希望で、新宿から京王線に乗った。「のがわこうえんにいきたい。せいぶたまがわせんにのりたい」という。西武多摩川線=絶滅危惧種の西武101系のいる路線ね、それなら私も大歓迎! 

ということで妙な結束の強さを誇る乗り鉄親子だ。でも、都心に用があるのでまずは新宿へ出て、京王線の武蔵野台駅→西武多摩川線白糸台駅乗り換えというルートを目指した。というのは、先日我が子を乗せたらとても喜んだから。おかげで、「京王線=準特急」だと思いこんでしまったほどだ。

ただし、突然思い出して今回は寄り道。武蔵野台で降りず二つ先の東府中へ。そう、なんでもローカルムードが堪能できるらしい京王競馬場線がお目当てだ。

東府中駅で降りて電車を見送る。ねえ、なんでしらいとだい(西武多摩川線)にいかないの? と不満顔の我が子に、ほら見てみて! パパのちっちゃいときの京王線! 2両編成だよほらほら!

駅で入線シーンを撮ってから不満そうな我が子を抱いて二つ目の踏み切りまでダッシュ(暑い!)。府中競馬正門前駅行きをゲット!

もう少し撮りたいけどお腹もすいた。そこで、駅前のスーパーでおにぎりを買い、「ねえ、なんでけいおうせんのせんろにくさがはえてんの?」という我が子に聞いてみた。乗ってみる? 競馬場正門前駅でおにぎり食べない? と誘導尋問。

我が子は急に目を輝かせていう「のりたい」。子どもを食べ物で釣る悪い親がここにいます。

東府中からエンジ帯の6000系に乗り込んで思い出した。そうだ。1987年年始に友達と多摩川線の赤い旧型電車とこの競馬場線を撮りに来たことがあるぞ! それにしても懐かしい電車だなあ。ことこと鳴るコンプレッサーもかわいい。K.T.R.の銘板もあるのか。

京王線は好きな鉄道なのに、そういえばほとんど撮ったことがない。私が鉄道少年だった頃の主役は6000系で、5000系が数を減らしていたところ。5000系の釣りかけ駆動の増結用2両編成を見たくてあのときは出かけたはずだ。会えた記憶はないけど。

それがいまや、各地で5000系は残っているのに新しい6000系はもう風前の灯火。車体に雨水が入って腐食しやすい一段下降窓のせいだろうか。でも私はパノラミックウインドウで片開き扉の5000系より、地味だけど端正な6000系のが昔から好きなんだ。私にとっての京王帝都電鉄はこの塗装の6000系だ。帯はまっすぐなのしか知らないけどね。

そんな感傷はさておき、2連で草むした線路を行き来する競馬場線は確かに諸先輩方が書いたようにローカルムード溢れた路線だった。クレイジーケンバンドから引用すれば「いいね!」だ。

なん往復か見届け、神社の境内で休憩。いい雰囲気だなあ。私のなかでにわかに京王ブームが来そうな予感。西武狭山線よりいいなあ。こうなりゃ銚子の懐かしすぎる「京王グリーン車」も見に行きたい。

さて、引き上げて西武多摩川線に行くか。さよなら6000系。魅力に気づくのが遅くてごめんね。これじゃ、ヒロインが他人のオンナになって初めて魅力に気づいた『エブゲニー・オネーギン』みたいだな。かわいいターニャはもうお嫁に行ってしまったのです……。【2013年12月追記:オネーギンへの言及は京王線に使っていたとは!】

さて、帰宅して試しに我が子に聞いてみた。京王線はどう? 気に入った?
我が子は即答した。うん、すき! こうして因果はまた巡る。

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