2021年2月22日月曜日

【西武多摩湖線新101系電車撮影記事】新101系電車の多摩湖線最後の日々


■「ありがとう101系 多摩湖線ラストランWeek」に沿線を歩いた
以前のエントリーでも記したように、さる2021年2月7日(日)で西武新101系電車は多摩湖線での定期運用を終えた。そのままダイヤ改正を迎えるかと思われていたところ、2月17日(水)にTwitterの西武鉄道イベント情報アカウントにより、2月18日(木)から22日(月)午前中にかけて、「ありがとう101系 多摩湖線ラストランWeek」と称して新101系電車が走るむねが公表され、駅にもポスターの掲示がなされた。公式Webサイトにこのことが発表されず、前日にTwitterと駅貼りポスターのみでサプライズ的に発表がなされたのは、昨今の情勢を鑑みて撮影者やお名残乗車客が集中しすぎないようにという配慮なのだろう。

それを目にしてこれは「多摩湖線で最後に走らせるよ。でもあまり大人数では来ないで。もし来るならば感染予防対策はしっかり行って」という、そういいたくはないだろうけれど、そう感じられるメッセージではあると思えてしばしためらった。もちろん筆者の勝手な解釈だ。そこで筆者もひさしぶりに散歩をかねて数日間、多摩湖線沿線を歩くことにしたものの、ひとの少なそうな時間と場所をねらうことにした。



■まだ太陽が低いから
ここ数年のあいだにいろいろと多摩湖線を走る列車の姿はすでに何度も写していた。だから、この多摩湖線ラストランWeekのあいだは、撮影者が増える日中に定番撮影位置で列車の編成写真を撮るのではなく、自分なりに工夫して少しは叙情的に撮ることができないかと考えた。そういうわけで、早朝や日没後に出かけることにした。

早朝や日没後に撮影したのは、ひとが集中する時間や場所をさけたいという理由だけではない。季節的にまだ太陽の位置が低いために、正午前後以外では建物などの影が濃く出る場所が多い。薄暮であれば影に邪魔されないで済むからだ。もちろん、筆者は日中よりも薄暮のころの写真のほうが好きだから。『夜に駆ける』をヘビロテしている陰キャだからさ……。うっせぇわ。

などといいながら、時間を作って初日の昼間に玉川上水車両基地からの回送列車を昼間にねらおうと出かけたら、その日は日没後まで出庫しなかったので昼間の姿は撮れなかったなどというおもしろ事件もあるけど、まあそれはそれだ。



■もちろん乗った
多摩湖線ラストランWeekのあいだに早朝の列車と夜の列車には乗った。以前から多摩湖線には足繁く通っていたし、各種リバイバルカラー編成が出揃った2018年秋から2020年春にかけて赤電塗装の259編成と、多摩湖線で運用されていた247編成、牽引車代用の263編成などを見るためになにかと通っていた。そのたびにモーターのある車両にいつも乗って、八坂〜武蔵大和の回田(めぐりた)信号所*を通過するときの加速音を聞いては「かっちょええ音だ」と聞き惚れていた。昨年秋から多摩湖線での新101系電車の運用数が減ってからは乗る機会が得られなかったので、多摩湖線ラストランWeekのあいだにあらためて乗って加速音を聞いた。西武園線でも先日聞いたし、狭山線の263編成にも乗っているけどね。


■ダイヤ改正後はどうなるのかな
同線で用いられていた新101系電車のうち伊豆箱根鉄道創立100周年記念で伊豆箱根鉄道カラーをまとっている241編成は、2月中旬に武蔵丘へ入場した。また、イエローとベージュのツートンカラーの245編成は1月下旬に多摩川線への回送が雪で中止になって以来動いていない。したがって多摩川線以外で稼働している新101系電車は、2月22日現在では狭山線用に小手指車両基地に異動した263編成と赤電カラーの259編成のみだ。


そのためこの多摩湖線ラストランWeekのあいだに多摩湖線で動いていたのは259編成だけだった。車内に貼られていたメッセージカードによれば、新101系電車は「多摩川線と西武園線など」ではまだ走ると記されていた。多摩川線には2月22日現在、赤電カラーの247編成、イエローとベージュのツートンカラーの249編成、近江鉄道「湖風号」塗装の251編成、赤電カラーの253編成がいる。263編成は狭山線を走っている。西武園線にはどの編成が走ることになるのだろうか。241編成や245編成の動向も気になるし、赤電カラーの259編成が残るならなおいい。そして、今年も春が来て草木が芽吹き、いろいろな花が咲くころにももしどこかでまた写せるならうれしく思う。


多摩湖線からの運用離脱を惜しむ気持ちは私にだってもちろんあるけれど、2021年にもなるとむしろまだ西武鉄道線内を新101系電車が走り続けることをありがたく享受したい。

こういう情勢下では社内で慎重な意見もおそらくあっただろう。それでも、最後に走らせる決断をして関係各所に調整をしてラストランWeekを実行してくれた西武鉄道のみなさんには心より感謝したい。

*回田(めぐりた)信号所:東村山市の地名表記では「廻田町と記す。武蔵大和駅近くにある東村山市回田小学校のWebサイトによると地名も「回田」と記していた時期があるようだ。なお多摩湖線一橋学園駅近くの玉川上水沿いに小平市回田町が存在するところも興味深い

【撮影データ】
Nikon Df, D7200/AF Nikkor 35mm f/2D, AF-S NIKKOR 50mm f/1.8G (Special Edition), AI AF Micro-Nikkor 60mm f/2.8D, AI AF Nikkor 180mm f/2.8D IF-ED/RAW/Adobe Photoshop CC 2021

上石神井車両管理所玉川上水支所(現玉川上水車両基地)にて
351系電車の撮影会。1990年6月24日
このカットを撮影したAI Nikkor 85mm F1.4Sはまだ所有している。
幸か不幸か30年前からいまと同じようなことをしているね

【2月23日追記】
2月23日は始発から西武園線で赤電259編成が走っていました。