2015年8月13日木曜日

【上信電鉄撮影記事】ホワイトタイガー走ってます


この草の根ブログにはいくつかの興味深い傾向がある。ニコン関連記事を書くとビュー数がぐわっ! と伸びる。いっぽう、鉄道記事でもいちばんビュー数が下がるのが上信電鉄だ。上毛電鉄のデハ101型記事などはビュー数が多いのに。

さて、その上信電鉄はいまや、首都圏で昭和の西武電車の世界を楽しむことができる最後の牙城ともいうべき場所だ。流鉄流山線も元西武新101系2連が走り回る住宅街として魅力的だが、上信電鉄は走行距離が長いことと、新101系よりも古い西武701系列が現役で走るところに、おおいなるアドバンテージがある。おまけに、AK-3コンプレッサーを響かせて。上信電鉄オリジナル車と仕様が合ったことが幸いしたのだろう。


念のためざっくり解説する。上信電鉄150形電車は20メートル3扉車で、主電動機は国鉄MT54相当、DT21台車と同仕様のFS342台車を履く。これらの仕様が上信電鉄オリジナル電車とほぼ同じだ(上信電鉄オリジナル車の主電動機はMT46相当)。さらに、オリジナル車200形の二次車は西武所沢車両工場製で、当時作られていた西武801系電車と共通要素が多い。ただし、西武701系列はいずれも西武時代に冷房改造と合わせて自動空気ブレーキから電磁直通ブレーキに改造されているために、200形とことなり貨車の牽引はできない。

150形は3編成あり、第一編成である151編成は切妻顔の元401系(411系といういいかたもできる)で、入線時にFS372台車をFS342台車に交換したもの。第二編成である153編成は元801系の第一編成のモハ801−モハ802のユニットにそれぞれクハ1801と1802の運転台部分を移植したもの。西武時代には存在しなかった、「張り上げ屋根の新501系電車」ふう電車(701系冷房・制動改造後の増結用に701系のクハ車から改造された新501系は、普通屋根。ただし、下回りは抑速制動を使用停止処理をして101系列同等)。三編成目の155編成は701系からの改造で、モハ755−モハ756のユニットにクハ1755と1756の運転台部分を移植したもの。こちらこそ前述の新501系風味といっていいかもしれない。

これら元西武701系列の151形のうち、2015年8月現在は151編成は広告ラッピングを解除し、さらに全面のステンレス製飾り帯が復活。正面の”JDK”(上信電鉄株式会社の略号とわかるとはいえ、お好きな人には文字だけでうれしいかも?)ロゴもないシンプルな姿に。153編成は安定のホワイトタイガー、155編成も下仁田ジオパークラッピングだ。

上信電鉄で乗ることができる元西武車には、乗るたびに「ああこりゃ、昭和の西武線だ」と思わせはするものの、特にこのホワイトタイガーは被写体としてはアレでナンだと思ってきた。駅にいる小さい子どもたちはよろこんでいるけどさ。



けれど、いまや世の中にはアレなラッピングの電車も多くあることを思えばむしろ、ホワイトタイガーは整っているほうだ。ここ数日にわかにそう思えるようになった。なんでしょうねえ。少しは人間がまるくなったのかしら、私。そんなことはないな、残念ながら。