2019年1月13日日曜日

【2018年夏関西リハビリ鉄記事】もうひとつの「近鉄」こと近江鉄道訪問記 その2. ハロー、シンイチ! 100形電車との「再会」

近江100形101編成はもと西武新101系295編成

■遅くてもしないよりはまし
「美しすぎる検事総長」といえば、クリミア騒乱のときにクリミア自治共和国で検事総長を務めていた、ナターリヤ・ポクロンスカヤ*のことだ。日本では、ね。

一時期この「なんとかすぎる」という大げさな言い回しがマスメディアで流行りましたね……あまりいいことだとは思わないけれど。ええと、私にとっての「遅すぎる近江鉄道初訪問」の続きを書く。遅すぎるけれど、いいの! だって「遅くてもしないよりはまし(Лучше поздно, чем никогда)」というでしょう。

■スカートつきとの再会
さて、八日市に着いてみると、目の前にはキャラクターが描かれた800系電車と、100形101編成がパンタフラフを降ろして休んでいた。

このうち、100形電車101編成はたしか……と思ってあわててスマホでググってみると、西武鉄道時代には「新宿線系統に配属されているスカートがついている新101系2連」として追いかけた新101系295編成だった(2019年1月15日追記:269編成にもスカートがあったことを失念していて、表記を改めました)。

「『スカートつき』よ、お前か!」と思ったわけです。そうそう、あのころはこの電車は私にとっては「ぶっさいくだなあ!」と思わせる電車だったのだ。この正面デザインにパンタグラフもついて、さらに正面にスカートがあるととても私には「いろいろと過剰」に思えたからだ。

近江鉄道に来てからの外観の変化は、方向幕がLED化されて側面にも行き先表示窓が設けられ、塗装が変わったくらい。ひさしぶりだなあ、お前。元気にしているか。とかなんとか。さすがに声に出しはしなかったけれど。

西武新宿線時代の295編成(2010年10月)

池袋線に転属して引退間際の295編成(手前)(2012年10月)

■さらにシンイチが続々と登場
「あいつがこの101編成かあ。元気そうでなにより」と思いながら米原行きの電車を待っていると、やってきた電車はまた水色の100形。あれま、すっかりこの近江の地で大活躍しているのだね。編成番号は103編成とある。

車内に乗り込んでみると800形は「昭和の西武新宿線」だったのに比べて、こちらは「平成の西武線」だ。なつかしい……とは思わないよ。だって、いまでも多摩湖線と多摩川線でお仲間が走っているから。それよりもむしろ、このまま海なし県のおうちまで連れて行っておくれよ、という思い。そんなのを体感しにわざわざ寄り道して近江鉄道に来るなんて、どうしたんだろう……おかしいね……。涙が止まりませんよ……なんてことは、ないよ。

米原行きは100系103編成(元西武新101系281編成)

車内に乗り込んでからスマホ検索をしてみると、そうかそうか、103編成はもと新101系281編成で、新宿線系統にもいたのだっけ。国分寺線直通電車にあてられているところを写したことがあった。もう10年くらい前になるのね(2019年1月15日追記:その後池袋線系統でも写していました。記録は本当に大切ですね。私はすっかり失念していました)。

西武国分寺線で運用されていた281編成(2009年1月)

めずらしくパンタ側が先頭に出なかったとき(2009年4月)

もっとも、この記事を書くためにグーグル検索などをしながら驚いたことがある。それは、一時期あれほど好きで追いかけ回していたこの西武新101系電車の編成番号のことをいまやすっかり覚えていないのだ。

正確にいうと、窓まわりがベージュ塗装だった271編成と、さきほどの「スカートつき」295編成は覚えていた。ところが、それより早く廃車されたほかの編成は、模型を作るようなファンの視線で見れば、西武所沢工場製と東急車輛製造製の製作所のちがいに起因する細かい細部のちがいはあるのだろうけれど……車両番号や編成番号で私は見ていないのだろう。数字だと私にはどうもおぼえにくくて……それならば、自分で編成ごとにニックネームでもつければいいのか。

■車内でスマホなんていじっていてはだめ
そう思いながらスマホいじりをしていてはたと気づいた。いけない。はじめて乗っている路線なのだから、車窓からの景色を見なくては。スマホいじりは新幹線に乗り込んでからだってできる。

スマホいじりをしていて五箇荘や愛知川のあたりのことは見落としてしまった。ちかごろ、堤一族のことを本で読んでて興味があったのに。これは沿線歩きを含めて通わないといけないな。豊郷小学校を聖地とするアニメも観てはいないけれど、有名になったヴォーリズ建築も見てみたいし。

いろいろと萌えているんだね!
【関連記事】
■【西武新101系撮影記事】295編成も撮ってます!(2012年10月14日)

【撮影データ】
■近江鉄道:Panasonic LUMIX DMC-GX7 Mark II/LEICA DG SUMMILUX 15mm / F1.7 ASPH. /LUMIX G 42.5mm / F1.7 ASPH. / POWER O.I.S.
■西武鉄道:Nikon D2X, D4/AI AF Nikkor 24mm f/2.8D, AI AF Nikkor 35mm f/2D, AI AF Zoom-Nikkor 80-200mm f/2.8D ED <NEW>
いずれもRAW/Adobe Photoshop CC 2019

脚注
* ナターリヤ・ポクロンスカヤ:ロシアやウクライナでは「ニャーシュ・ミャーシュ」と呼ばれている。これは、日本のインターネット空間上でさんざん萌えの対象となった彼女が、そのことをテレビインタビューで「私は『萌え萌えにゃんにゃん(ニャーシュ・ミャーシュ)』ではなく、検事総長なのです」と答えたから。そして、そのインタビューを組み合わせてロシアのミュージシャンenjoykinがYouTubeに「Nyash-Myash」という曲を、ポクロンスカヤのセリフを組み合わせて作り上げてアップし、それがヒットしたから。そしてこの曲のなかではポクロンスカヤのセリフが「ニャーシュ・ミャーシュ、クルィム・ナーシュ」(萌え萌えにゃんにゃん! クリミアは私たちのもの!)と韻を踏まれていて……友人に言わせると、ポクロンスカヤの強い権力欲をこうして揶揄しているのだそうで。なにしろ、ウクライナ領の自治共和国だったクリミアの検事局から検事総長に抜擢されて、いまやロシア連邦議会国家院(下院)の代議員だから。なお、ロシア語での標準的なねこの鳴き声である「ミャウ」と日本語的な「にゃあ」を重ねて、指小形語尾である-shをつけて、韻を踏んで繰り返したニャーシュ・ミャーシュという単語を作り出したのはポクロンスカヤだけど、そのニュアンスをどう伝えるべきか悩んで「萌え萌えにゃんにゃん」という訳は筆者が考えただけだからな。