2019年1月21日月曜日

【西武電車懐かし記事】西武電車の「向き」の話

 新所沢にて停車中のクモハ295は西武新宿方にパンタグラフがある

■近江鉄道800形と100・900形は貴生川方にパンタグラフが……あれ?
回のエントリーの冒頭に、彦根駅構内でパンタグラフを上げて、おそらくは出庫準備をしている900形電車と800形電車の写真をアップしてから、しばらく眺めていた。そうか、近江鉄道の100形、800形、900形電車は、本線貴生川方(あるいは八日市線近江八幡方)にパンタグラフのある先頭車が来るんだなあ、と。

だが、撮影してから3ヶ月以上経ってから気づいたことがある。それは、近江鉄道800形の原型である西武401系電車と、100形・900形の原型である西武新101系電車2両編成のパンタグラフのある先頭車の向きは、西武時代は異なっていたはずだということ。

新101系電車は写真があった(けれど、再掲載します)。新所沢で西武新宿行き(つまり上り列車)の先頭に立つクモハ295号車だ。新101系電車のパンタグラフつき先頭車は、こうして新宿線ならば上り方を向く(池袋線であれば、飯能方になる)。

いっぽう、401系電車の写真は何度ももうしわけないけれど再掲載。これは1988年夏に小平霊園の向かいから撮った南入曽車両基地発の上り回送列車で、多摩湖線に充当される。上り列車だけれど、パンタグラフつき先頭車は西武新宿方ではなく本川越方にある(池袋線を走ることは通常はなかったはずだけれど、もしあれば、池袋方にパンタグラフが来るはず)。つまり、新101系電車と401系電車では、パンタグラフがつく先頭車(制御電動車)の向きが異なっていたというわけ。

■西武鉄道のカルダン駆動車の「奇数偶数の関係」
これは以前も何度か書いているけれど、701系列(601系、701系、801系、401系)と101系列(101系、新101系、301系、そして501系)では、電動車の「奇数偶数の関係」がことなるから。

各系列の電動車は最低でもみな2両一組で編成を組むシステムだが、その2両の電動車はいずれもモハ701形なりクモハ401形、あるいはモハ101形と称するかわりに、1桁目の数字が偶数か奇数かによって、パンタグラフなどの電気系の機器や制御器、抵抗器を積む車両と、電動発電機やコンプレッサーなどの補助機器を積む車両でわけていた。

そして、701系列では奇数(上り方)のモハ701号車やクモハ401号車に補助機器を積み、偶数(下り方)のモハ702号車やクモハ402号車にパンタグラフがあった。いっぽう、101系列では奇数(上り方)のモハ101号車にパンタグラフがあり、偶数(下り方)のモハ102号車に補助機器が積まれた。

南入曽車両基地からの上り回送列車……パンタグラフは本川越方!

■流鉄と上信電鉄でも揃えてあるの!
そうだったそうだった……そうか、近江鉄道では譲渡車のパンタグラフつき制御電動車の向きを揃えたのか……と思いながら、よく考えてみると、西武701系列と101系列が譲渡された上信電鉄でも流鉄流山線でも、パンタグラフつき制御電動車の向きが揃えてある!
(以下、流鉄と上信電鉄の懐かしい写真を貼っておきます)

流鉄2000系「なの花」の流山方クモハ2006(モハ758)

流鉄5000系「流星」の流山方クモハ5002(クモハ275)

上信電鉄150形クモハ151(クモハ408)は下仁田方にパンタグラフがあり

上信電鉄500形クモハ501(クモハ289)も下仁田方を向く

えー、いまごろ気づいたのお前? と鉄のお仲間のゲラゲラ笑う声とあきれ顔が目に浮かぶようだ。えー、そうなんですけれど。

いいわけをさせてもらえば、流鉄や上信電鉄で撮影しているときにはいずれも「下り方にパンタグラフつき制御電動車が来る」ことはもちろん把握していて、それをねらっている……のですけれど、えーと、西武時代にはこの向きが揃ってはいなかったことは、2019年1月になるまで失念しておりました。あは。

いやー、写真って記録としてだいじだわ。どんな写真でも撮っておかないと! とかきれいにまとめようとしつつ……私の記憶はほんとうにいいかげんなんだなあ(ため息)。