2019年1月6日日曜日

【2018年夏関西リハビリ鉄記事】桜井線・和歌山線国鉄型電車乗り&撮り記 最終回「御所(ごせ)にて、続き」


■緑豊かなところだから気に入ったのかも
所で乗り換えをするようになり、町の中心部を歩いたわけではないのにどうも気に入ってしまった、と前回書いた。その後なんども王寺発五条行きの和歌山線普通列車を利用して御所で降りるたびに、その理由を自分でもはっきりさせたいなあ、ともやもやしていた。そこである日、御所から和歌山線の玉手までひと駅歩いてみた。昼間の上下1本ずつしか列車が走らない時間だったので、歩いたほうが玉手まで行くのに早かった、という理由でもある。

そこで、近鉄御所で降りてまっすぐ和歌山線の踏切のある新地商店街まで行き、そこで右折して玉手方面に線路沿いを歩いた。そうして、また私はああいいなあ、と歓声をあげた。線路沿いに桜並木があったからだ。



■柳田川の流れに足を浸して
新地商店街のある踏切から少し行くと、和歌山線の線路は柳田川に沿って走る。四地蔵のある踏切までは桜並木で、しかも川に降りることができる。真夏の蒸し暑い日だったので、この区間で列車を撮ろうと思って待つあいだに、川に降りてつい足首まで水に浸した。河原で撮影するときに私はいつもそんなことをして遊んでいるのだ。

河原から見上げると線路がある。さすがに、川面からうまく撮るのはむずかしそうだ。けれど、桜の咲く季節にはきっとここでお弁当を食べるのも楽しそうだ。そうして気づいた。この町がなんだかいいな、と思わせるのはおそらく古くからある街並みと、自然も豊かなところ。中心街から少し行くと山もあり、田んぼがあり、こうして川遊びができる川もある。きっとこのこじんまりとした雰囲気が好きなのだ。そこをお気に入りの古めかしい電車が走るのだから、心ひかれるのはあたりまえかもしれない。

修学旅行でしか奈良盆地を訪問したことがなかった私は、奈良盆地が気になっていた。そうして実際に訪れてみて、大仏と法隆寺だけではない奈良盆地の魅力にようやく気づき始めたというところだろうか。同時に、奈良盆地の鉄道シーンの魅力にも開眼したというわけ。行くべきところがたくさんあるなあ、と思わされる。そして、列車の撮影のあいまにもっと街歩きをしてみよう。本も読んで勉強もしてみたいな。自分の知識の浅さにもおおいに気づかされたから。




さて、この夏に撮影していたJR桜井線・和歌山線の記事もこれで最終回といたします。早朝に走る4両編成や吉野口あたりの山間を走るところも撮ってみたいと思いつつ、この夏は果たすことができませんでした。冬季に架線の霜取りのために、パンタグラフが増設された編成が走るようすも見てみたいものです。春までに、また105系電車の置き換えが開始される春以降にも再度訪問できたらと思っています。

【撮影データ】
Panasonic LUMIX DMC-GX7 Mark II/LEICA DG SUMMILUX 15mm / F1.7 ASPH. /LUMIX G 42.5mm / F1.7 ASPH. / POWER O.I.S./Adobe Photoshop CC 2019