2020年12月31日木曜日

【レンズフードとニッコールレンズの話】温故知新もしくは第五次レンズフード戦争。斜光線には蛇腹式レンズフードがいちばん効果的なのではないかという話

スチームパンク的かと考えていたけれど
『ブレードランナー』のフォークト・カンプフ検査の装置のようだから
どちらかというとサイバーパンク的なのかも

■短い円筒形のレンズフードでは満足できない
2020年が終わろうとしている。それなのに私はあいかわらず、ここのところ何度も書いているように古いレンズを使って斜光線でもフレアをなんとかできないかという試行錯誤を続けている。

2020年12月24日木曜日

【JR八高線&東武東上線PETIT撮影記事】令和2年のJR東日本ディーゼルカーと昭和95年の東武電車


■令和2年12月末のある夜のこと
激動の2020年の年の瀬も押し迫るある夜のことだ。JR八高線小川町で列車から降りた。すると乗っていた高崎行き列車のとなりに、見覚えのない真新しい車両が止まっているのが見えた。高崎行き列車が交換待ちをしてから出発するまで待ってみると、ネット上のニュースで見たことがあった新型のGV-E400系電気式気動車というやつだということに気づいた。そういえば八高線非電化区間で試運転を行なっていると読んだっけ。

2020年12月19日土曜日

【西武多摩湖線撮影記事】晩秋の多摩湖線にて


■西武多摩湖線にも変化があった
ふと思いついてひさしぶりに西武多摩湖線沿線を歩いた。列車を撮るというよりも、多摩湖(村山貯水池)周辺を散策するというのがおもだ。それでも、列車の姿をときおり写した。なにしろ、ずいぶん長く続いていた「新101系電車天国」も終りが見えてきたからね。

2020年12月13日日曜日

【ニッコールレンズの話&秩父鉄道デキ撮影記事】夜景撮影にも有効! 黒テープでハレ切りしながら秩父鉄道鉱石貨物列車の突放シーンを撮る

黒いパーマセルテープは美しく貼らなくてもいい。
こんな貼り方でも役に立つ

■「斜光黒パ斬り」は日中の撮影だけに役立つわけではない
前回のエントリーでは、完全逆光でレンズ前部に斜光線が当たる状況でも、カメラ位置を工夫しながら長めのレンズフードを装着し、さらに黒いパーマセルテープ(現在の正式なブランド名は「シュアーテープ」)をレンズフード前面に貼りつけると、フレアを切ること(フレアカット、もしくはハレ切り)ができるという話をした。

この「逆光の呼吸壱ノ型『斜光黒パ斬り』」が役立つのは晴天時の日中だけではない、というのが今回のエントリーの主題だ。 

2020年12月12日土曜日

【ニッコールレンズの話&秩父鉄道デキ撮影記事】黒テープでハレ切りしながら逆光で秩父鉄道デキを撮る話

Sony A7II+AI Nikkor 50mm F1.8S
持っているカメラを撮るなんてあれだけど
これも完全逆光だから
「斜光黒パ斬り」をしているよ

■「おうち工作」で試していたことを実践した
ここ最近は「おうち工作」をしていた。政界の黒幕や特務機関がお金のちからで人心掌握をして世論を誘導するという「工作」の話ではなく、「手先の作業」のことね。自宅とその近辺であれこれと試行錯誤を重ねていた。それが前回までのエントリーでしつこく書いていた、古いレンズに純正よりも長めのレンズフードを探し出して効果の有無を調べていたというあれだ。

逆光撮影の際にフレアが生じてしまうレンズでも、できるだけフレアをカットするとどうなるのか、ということに強い興味が湧いたからだ。なお、「フィルムの乱反射」を指す「ハレーション」と「レンズの乱反射」という意味の「フレア」は厳密にはことなるようなので、本来であれば「フレアカット」というべきなのだろうが、誤用であっても慣用的に使われ続けている「ハレ切り」という用語を以下でも用いる。

2020年11月28日土曜日

【ニッコールレンズの話】第四次レンズフード戦争・ニッコールレンズの戦い終戦か。AI Nikkor 85mm F1.4Sの斜光線対策を考えた

AI Nikkor 85mm F1.4Sに装着した
コンタックスメタルフード5+72/86リング。
内部に植毛紙を貼った

■所有するAI Nikkor 85mm F1.4Sは斜光線に弱かった
11月も終わりになり、東京首都圏の紅葉も見ごろを過ぎつつあるようだ。というのは、近隣の紅葉しか自分の目で見ていないから。「ようしらんけど」というやつ。

2020年11月24日火曜日

【ニッコールレンズの話】自宅にて秋を愛でていて……第四次レンズフード戦争・ニッコールレンズの戦い勃発す!【11月25日追記】

78mmの長さのある⌀86mmの望遠用メタルフード。
前面にもねじが切ってあり
前後ともに同じ口径で連結可能なものは
なかなか手に入らない

■おうちで秋を楽しんでいたのです
東京首都圏でも木々が色づき落葉が進んでいる。夜間や早朝の気温の低さに秋が深まりつつあることを実感する。だが、連休期間中は遠出せずに自宅周辺であいかわらず過ごした。あれがああだからしかたないなあ。それに、連休初日以外は午後になると自宅のあるあたりは暗く曇ってしまった。県内でも秩父は午後も晴れていたそうだけど……土日に秩父に行くのはいまは私はガマンだ。

2020年11月20日金曜日

【ソビエトレンズ】第三次レンズフード決戦! Jupiter-9とJupiter-11の内面反射対策を敢行し悉く解決す!



■なぜか大本営発表ふうにレンズフードの話をする
ソ聯製望遠レンズ「木星九號」および「木星十一號」には電子式寫眞機で用ゐる際に、強力な斜光線のある状況下では内面反射を起こし、できあがつた寫眞の暗部にしまりが全然なくなるといふ問題が生じがちである。しかし本日榮光ある我が軍は特別行動隊を結成し、この内面反射問題を一掃せり。

2020年11月19日木曜日

【ソビエトレンズ】Kindle電子書籍『LZOC MC Jupiter-9 85mm F2.0 オールドレンズデータベース』も好評発売中


■Kindle電子書籍『LZOC MC Jupiter-9 85mm F2.0 オールドレンズデータベース』も発売中
ソビエト製レンズでもっとも有名かもしれないレンズのひとつに、Jupiter-9 85mm F2.0/Юпитер-9 85мм F2.0というものがある。前回のエントリーでも書いたものだ。このレンズの最終版であるロシア・リトカリノ光学ガラス工場(LZOS/ЛЗОС)M42マウントのマルチコート版のレンズを、私と水子貴晧さんの共著でKindle電子書籍『LZOC MC Jupiter-9 85mm F2.0 オールドレンズデータベース』で取り上げた。既発売なので興味のある方はぜひ参照してくださるとたいへんうれしい。

2020年11月18日水曜日

【ソビエトレンズ】Jupiter-9 85mm F2.0のフレア対策と、撮れば撮るほどその性格がよくわからなくなるという話

Jupiter-9 85mm f2.0に
Takumar 105mm F2.8/100mm F4用
レンズフードを試用中

■古いレンズにはフレア対策を
Jupiter-9 85mm F2.0をはじめとするソビエト製レンズだけではなく、古いレンズ全般にいえることだけど、コーティングや内面反射防止対策が未熟だった時代のレンズは総じて斜光線に対して弱い。フィルムよりもずっと平面性が高い撮像素子前面のローパスフィルターや保護ガラスなどに反射してしまい、画面全体を覆うベーリングフレア(内面の乱反射)が生じやすい。 

2020年11月9日月曜日

【ニッコールレンズの話】1980年代のAI-Sニッコールレンズのこと(その2)

1984年12月版のレンズカタログ
カメラの製品写真ではストラップと三角環を外して
レンズのヘリコイドは無限遠にして
絞り値はF5.6にセットする「作法」がある。
いまでもこのカタログでそれを参照しているよ

■フィルム時代のレンズには「松竹梅」があった
筆者の手元にある1984年のニッコールレンズのカタログには、28mm、35mm、50mm、135mmにはそれぞれ3種類が用意されていたとある。これはニッコールだけではなく、大手各社もそうだった。レンズメーカー製品に対抗するために純正製品でも普及価格帯の製品を用意したかったのだろう。いまのデジタル一眼レフ用レンズでは多くても2種類だろうか。