2015年10月13日火曜日

【ひたちなか海浜鉄道撮影記事】さよならキハ2004。平日早朝の旧型2連の勇姿を撮る(その2)


■那珂湊留置中の姿もいい
ひたちなか海浜鉄道の早朝の2連は、那珂湊から阿字ヶ浦まで回送されてから始発の上り列車になり、朝のラッシュアワー後に編成を解かれるまで沿線を往復するようだ。勝田方からキハ205+キハ3710形というのがおもな運用なのかもしれないが、この時期はおおむね勝田方からキハ2004+キハ205のことが多かった。この2連を撮るために複数回訪問しても、いずれも旧型2連に遭遇できたのは絵的にはさいわいだった。連休明けの今日からはキハ205+キハ3710形で走っているようだ。

投宿先から歩いて数往復を撮影したのち、眠気には勝てずに中根から日工前まで高校生と通勤客でいっぱいの湊線に乗って投宿先に戻り、休憩してチェックアウトを済ますころには、単行運転に戻っていた。その後、那珂湊まで見に行くと、編成を解かれたキハ2004が昼寝をしている様子を見ることができた。幌枠つきの顔もかっこいい!

■観光客だけの列車ではないところに感涙する
早朝の列車を見ていていいなと思ったのは列車の利用者が多いこと。なにも特別な観光だけの鉄道ではなく、通勤通学客がふつうに乗っているようすを見るのは、やはりうれしくなる。人々の暮らしに鉄道が役立っている様子は鉄道が生きているように感じられるからだ。金上駅に交換設備が設けられて増発が可能になったこと、高田の鉄橋駅の新設などにより、利用しやすさが向上したことは事実だろうし、おそらくは沿線住民からもきちんと存在意義を感じてもらえているからだろうと思う。


■乗客サービスのためにはやむを得ないと思うのだ
鉄道ファン(というか、ヲタ)の視点的には、旧型気動車が立派に役に立っている姿はもちろんうれしかった。ともあれ、乗客にとっては冷房もない(キハ205をのぞく)古めかしい車両であることも事実だ。新型車両を導入できなかったという事情はあるにせよ、むしろよくもここまで使い続けてくれたという思いは大きい。かつての茨城交通は部品確保のためにキハ10型を集め、その後はキハ20型タイプを集めていた鉄道だ。勝手な想像をすれば、キハ2004の引退はキハ11を導入することによる乗客サービスとランニングコストの軽減、さらには稼働する残りの旧型気動車への部品確保の意味もあるのだろう。

引退まで、もし走る機会があるのならば無事に走ってくれればと思う。そして、8年もあけずに私もまた再訪したい。

【撮影データ(特記以外)】Panasonic LUMIX DMC-GX8/LUMIX G VARIO 100-300mm / F4.0-5.6 / MEGA O.I.S., LEICA DG SUMMILUX 15mm / F1.7 ASPH./RAW+JPEG/Adobe

GX8とLEICA DG SUMMILUX 15mm / F1.7 ASPH.(左)