2017年12月8日金曜日

【鉄博PETIT訪問記】大宮にて


■平日夕方の鉄道博物館に行く
都心に急な用事があった日のこと。いくつかの用事を済ませると時間はもう15時過ぎだった。暗い曇り空が広がっていたので、どこかに出かけるにも遅い。そこで、ここしばらくごぶさたしていた、大宮の鉄道博物館(以下、鉄博と略)に行ってみた。前に行ったのはたしか震災前だったから……7年ぶりか。


いつまでも古いものばかり好きなのも口うるさいヒヒジジイっぽくていやだな、と思いつつ、腰が重くて気軽に出かけることができないままに消えていく各種国鉄型車両をひさしぶりに見たくなった。そこで、鉄博に着いて1階の車両ステーションに直行し、クモハ40074やキハ41307の車内に座ってしばらくうっとりした。

■消毒液の香りが私にとっての「長距離列車の香り」
その後もクモハ455-1やクハ481-26に座り、消毒液の香りを嗅いだ。以前も書いたけれど、国鉄特急型や急行型電車で私にとっていちばん記憶に残っているのが、消毒液の香り、というよりも「匂い」なのだ。あと、冷水機の紙コップの「味」ね。そのあとは、クモハ101-902そばの主幹制御器やMT46主電動機を動かすことができる展示を見て、もちろん、自分も試した。上信電鉄に残るDT21系列台車とMT46派生主電動機を備えた電車の置き換えが近づくなか、ここならMT46の音をとうぶんは聞くことができるかもしれないなあ、と思いながら見ていて、以前見落としていたことに気づいて私はひどくおどろかされた。クモハ101-902そばにある台車は、コイルばねのDT21ではなくて空気ばねのDT24だったからだ!  暗いし、以前来たときは小さい子連れで、しかもたしか仕事を兼ねていたはずだから、よく見ていなかった。101系電車のすぐそばに置いてあるからDT21台車だとなにも考えずに思い込んでいた。

思わず、ベテランのボランティア説明員氏に訪ねたところ、このDT24台車は神田の交通博物館にあったとのこと。そうだったっけ……神田の交通博物館に行ったのは小学生の頃だったからおぼえていなかった。ググってみると、この台車は153系電車のものという意見と、157系電車のものだったのではないかという意見のどちらもある。私には判断しかねるけれど、どちらもの電車も私は写真や模型でしか見たことがないと思うので、いずれにせよ実物を見られるのはうれしいおどろきだ。


■屋外のDD13とキハ11の姿がいい
雨の平日の夕方に博物館にいるのは、リタイアした方と学生さん、それと未就学児を連れたお母さんばかりだ。ふつうはそういうものか。そして、ミニ運転パークやキッズライブラリーが終わったあとは、ほんとうに静かだ。とはいえ、イルミネーションが点灯していて、閉鎖されていないミニ運転パークを歩いていて、その奥のDD131とキハ11-25のそばに行けることに気づいて、行ってみた。日没直後の空を背に静かに停まっている2両はすごく雰囲気がよかった。写真を撮りに出かけたわけではないのにいてもたってもいられず写した。日没直後にこの展示を見られたことが、今日の鉄博での最大の収穫かもしれない。このキハ11-25は以前、茨城交通湊線(現ひたちなか海浜鉄道湊線)の那珂湊でここに移送される直前の姿を偶然写したことがあるので、美しい姿で再会できてうれしい。

■ランチトレイン455で読書や原稿仕事をしてみようかな
さらに、川越線や高崎線の列車からいつも見ていたのに、入ったことがなかった455ランチトレインにはじめて入った。私は博物館や美術館に出かけても、すべてを網羅するのではなく、気に入った部分しか見ないような人間なのだ。好きな部分だけの印象を記憶しておきたいから。455ランチトレイン、あるいは183ランチトレインに入ったことがなかったのは、以前の訪問の際にはそんな余裕がなかったからだろう。167系モックアップに座った記憶はあるのに。このランチトレインで、そばを走る列車を見ながらお弁当を広げるために出かけるのもよさそうだ。こんど試してみようっと。あるいは、パソコンとWi-Fiルーターをを持ち込んでここで原稿を書く……いやいや、そんなことをしても、原稿に集中できないだろうなあ。走ルンですサロや新幹線車内で原稿書きを試したことはあるけれど、列車に乗っていることを楽しんでしまうから、けっきょくたいして進められなかった。

【撮影データ】
Panasonic LUMIX DMC-GX7 Mark II/LEICA DG SUMMILUX 15mm / F1.7 ASPH./Adobe Photoshop CC