2018年9月27日木曜日

【2018年夏関西リハビリ鉄記事】懐かしい103系電車に会いに奈良線へ その3.「宇治川のたそがれ」


■宇治川で参って平等院に参る
条あやみが出ているJR西日本の夏のキャンペーンポスター、それも彼女をアニメで描いたポスターを見るたびに視線が釘づけになる「カメラのおっちゃん」こと筆者。あ、それはこの「懐かしい103系電車に会いに奈良線へ」の話と関係ないや。中条あやみって超かわいいよなまじで。天使かよ。

乗る列車の方向をまちがえて寝過ごしてなかなか奈良線沿線にたどり着けず、おまけに列車の運用を観察しながら居眠りしたり、はたまたわざわざ観光地でもある宇治に出かけたくせに、自宅近辺でおなじみのファミレス「サイゼリヤ」に行って、「サイゼ、最高かよ」などと心の中で叫んだりと、まじめに列車を撮るようにはとうていみなさんには思ってもらえそうにない。

それでも、筆者はサイゼリヤ宇治里尻店で涼みながら考えた。なにしろ、この日の宇治はとても蒸し暑くて。

これまでは神社仏閣はいつでも行けるからいいや、と有名寺社仏閣をいっさい訪れないでいた。まるで『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』の「第6話 誕生 赤い彗星」に出てくるザクIIを操縦するシャア・アズナブルのように、「私に跪け! 神よ!」などと不遜な気持ちもあっただろう。

けれど、この場所はかの平等院鳳凰堂も近いのだから、修学旅行以来ひさしぶりに行ってみようかな……。この日2編成が運用入りしていたおめあての103系電車が宇治に戻ってくるまでに、まだ時間もあるし。意外と謙虚なカメラのおっちゃん……、いや、103系電車を撮るついでにお寺に行くのだから、謙虚ではないな……。

とにかく、筆者はそうしてサイゼを出てから平等院でお参りし、ふたたび宇治橋まで戻ってきたところから物語は始まる。本人の気持ちではここで『機動戦士ガンダムTHE ORIGIN』の勇壮なオープニングが流れます。

■おばちゃん、しんどいんかと思ったわ
宇治橋まで戻ってくるとわずかに夕方の気配がした。それまでは下流側から順光で撮影していたので、こんどは夕方の気配をいかして逆光側から撮ってみたい。そう思って夕方まで待っていた。宇治橋からJR奈良線の橋梁を見ると、日没は画面左だけれど空の表情は描けそうだ。さいわい、宇治橋は歩道も広いので安全に撮影できるのもいい。

ただし、宇治橋の高さとJRの橋梁の高さなどを考えると、宇治橋に座り込んでできるだけカメラの高さを低くしたかった。そこで、宇治橋の歩道に座り込んでカメラを構えた。

長靴を履いて中洲から見たらどんなだろう

時刻は17時半過ぎ。宇治市民のみなさんは通勤通学先から家路につき始め、京都や奈良、あるいは大阪など宇治以外の場所に投宿するような観光客のみなさんもぞろぞろと駅に向かい、宇治を後にするひとたちが多い。そんなときに宇治橋の歩道の地面に座っている筆者はどうやらそうとうな不審人物だったようだ。

行き交うひとたちと目が合うと「こんにちは!」とにこやかにしていたつもりだったけれど……自転車で通りかかったおばちゃ……シニアの女性に尋ねられてそれは発覚した。なにしはってるの。ああ、電車の写真を撮らはるの! しんどくて座り込んでいるんかとおばちゃん思ったわ……。

そうかあ、いままで通りかかったひとたちの大半に私は「つらそうなひと」だと思われていたのか。カメラを構えているから「撮影するひと」というふうに見えていると自分では思っていたのに。三脚を立てていないからかなあ。シャア・アズナブルなのは傲慢さだけで、外見は不審者だったとはなあ。とほほ。

■いまどんな電車が来てもカッコいい!
8月の上旬で、日没はその頃は19時頃だった。だから、18時前ではあたりはまだ明るい。そこで、LUMIX GX7 Mark IIではお得意の「忍法ホワイトバランス日陰の術」+マゼンタとアンバーをプラスする作戦で赤みを強調することにした。レンズも85mm相当にしてシルエットになる露出を決めた。

そうしてまず、やあやあ我こそは我こそはなどと矢合せをしつつ……準備をしていたという比喩です……やってきた205系電車を撮ってみて……205系はかっこええ! としびれる。もともと205系は好きなのだ。そして、ここ奈良線で走り始めた205系電車は中間車から改造された前面ではないのもいい。201系電車や103系電車ほどにいじられていないところもイイね!

221系電車も撮っているけれど、いまきっとどんな電車が来てもカッコいいはずだ。



■そうしておめあての103系電車はやって来た





なんといいますか……そのときのことは夢中でレリーズしていたからとしかいえない。列車通過後にカメラの再生ボタンを押したときに、用いていたメモリーカードがそう高速ではないので、しばらく表示に時間がかかりそれがとてももどかしかったのを覚えている。

そして、再生してみて思わず宇治橋の上でガッツポーズをした。いわゆる編成写真ではないけれど、こういうシンプルな絵で103系電車を撮ってみたかったから。

空に表情があったので広角30mm相当で

そのあと、もう1運用来るのを待った。空模様が変わったので、こちらは広角30mm相当にして画面に空を大きく入れた。こちらも空が印象的でよかった。ああ、きっとこの夏の私のハイライトはいまだ。この夏は無理だと思っていたのに、予想とちがって夏をきちんと堪能しているよ、自分。そう思うとうれしくてしかたなかった。

とはいえ、そろそろ松原市内に戻る時間だ。橋を渡って京阪電車の宇治駅に行き、はじめて京阪電車に乗って戻ることにした。

おっちゃん、どうしはった。おけいはんのえきはめのまえや



【撮影データ】
Panasonic LUMIX DMC-GX7 Mark II/LEICA DG SUMMILUX 15mm / F1.7 ASPH. LUMIX G 42.5mm / F1.7 ASPH. / POWER O.I.S./Adobe Photoshop CC 2018