2020年5月24日日曜日

【2015年4月、秩父鉄道撮影記事】Nikon Dfで撮る雨の秩父路 その2

AF-S NIKKOR 24-120mm f/4G ED VR(24mm)

■家に帰らず夜遊びをする
2015年4月にNikon Dfを持って毎週末に秩父鉄道の列車を撮っていた話の続きだ。ソメイヨシノがまだ花を残していたころで、その姿を見ていて帰ってしまうのは惜しくなった。朝から雨にぬれながらいると、しばしば集中力が切れてしまうので夜は撮影をしないで帰ってしまうことが多い。でもこのときは、もう少し頑張ろうと思って下り方向の列車に乗った。

目指した駅は嘱託の駅員さんがもういない時間だった。改札口周辺のソメイヨシノが街灯に照らされていた。キャンプ場と鍾乳洞はあってもこの時間に行き来するひとはいない。この駅前後だけは山のなかにある雰囲気が好きだ。駅周辺には人家があってもとても静かで、ときどきやってくる列車の走行音を除けば、雨だれの音と国道140号線を走る自動車の音がときどき聞こえるだけだ。

もっとも、いまでこそ秩父市内にありながら山間の静かな駅という印象を与えるが、ここから山の入っていったところにいくつもの集落もあった。その入り口だということで駅も命名されたはずだ。さらに三峰口や武州中川からの貨物列車も走っていたはずで、昭和30年代から40年代にかけてのころはもっとにぎやかだったのかもしれない。私が知っている秩父鉄道沿線のようすは昭和50年代終わりからで、三峰口からの貨物列車はもう存在しなかった。のちに駐車場になった貨物ホームといまの引き込み線奥にあった大きなホッパーは目にした。そのころは旅客列車は4両編成だった。

賑わっていたのはここに限らず日本全国どこも同じか。

AF-S NIKKOR 24-120mm f/4G ED VR(24mm)

AF-S NIKKOR 24-120mm f/4G ED VR(24mm)

AF-S NIKKOR 24-120mm f/4G ED VR(31mm)

■いざとなるとどう撮るかなやむ
この駅のソメイヨシノのようすは想像通りだったのに、夜訪れたのははじめてだった。それで、じっさいに目にするとどうやって撮ろうかとかなり頭を捻った。花だけ撮るならまだしも、列車や鉄道関連施設を花と合わせて撮るのに、そういう絵心が欠けているのかも。ははは。そして、ライトアップされているわけではないのでけっこう暗い。そういうなやましく、けれども何かかならず撮って帰らないといけない業務の撮影では、ときにズームレンズは便利だなあと実感した。けっきょくこの写真は拙著で使わなかったとはいえ。もちろん、ズーミングだけではなくて自分の足でまずは寄りと引きを考えながらいる。ほとんどを24ミリの広角端で写している。被写体に負けて「撮らされている」感じがするともいえる。四隅がよく見えていない。もっとも、いざとなったら微調整ができるところがズームレンズのよさだろうか。

AF-S NIKKOR 50mm f/1.8G (Special Edition)

AF-S NIKKOR 50mm f/1.8G (Special Edition)


■日が沈まない時間帯に再挑戦しよう
できれば完全に日が沈む前のほうがもっと雰囲気がいいだろう。この日はどうやら、いつぞやの夜の三峰口駅のようにとても静かなのでなんとなく気が引けてしまい、1時間くらいで引き上げてしまったようだ。我ながら気が小さい。でもなんとなく……わかるかなあ。なんだか音を立てるのが申し訳ない気持ちになってしまって。それと、予備電池も持っていなくて電池が切れたのかもしれない。いまは予備電池もたくさん持っているから、来シーズンに再挑戦してみるか。AF-S NIKKOR 24-120mm f/4G ED VRは所有していないから、自前の古い単焦点レンズであたまを悩ませてみようか。

AF-S NIKKOR 50mm f/1.8G (Special Edition)も所有していないけれど、このレンズもいい。比較的安価で軽量なのがいいし、ちょっと絞ると明快な描写になるあたりが「Fマウントのニッコールレンズ」らしくて好きだ。AI AF Nikkor 50mm f/1.4DもマニュアルフォーカスのAI Nikkor 50mm f/1.4SもAI Nikkor 50mm F1.8Sも持っているから手に入れなかったのだけど。【2020年7月追記】このあとAF-S NIKKOR 50mm f/1.8G (Special Edition)は手に入れてしまった。

【撮影データ】
Nikon Df/AF-S NIKKOR 24-120mm f/4G ED VR, AF-S NIKKOR 50mm f/1.8G (Special Edition)/RAW/Adobe Photoshop CC 2020