2020年9月1日火曜日

【八高線撮影記事】多摩川右岸から八高線を走る209系3100番代車をねらう


■多摩川右岸にしばらく通っていた
先日のエントリーで、八高線の多摩川橋梁を行く列車を夕方の多摩川左岸からねらった話をした。橋梁を多摩川左岸からねらうには拝島と立川を結ぶ路線バスを利用できてアクセスしやすい利点があった。河川敷が多摩川緑地くじら運動公園と大神公園という公園になっていることもなにかと便利だ。

ところが、私が描きたい絵柄にするにはこの時期は太陽の沈む位置がうまく合わなかった。おまけに、気をつけないと昭島市清掃センターの煙突が画面内に映り込む。必要な施設だから存在することに文句があるわけではない。それを橋脚でうまくかくせばいいだけだ。

そこで、対岸から見るとどうなっているのかを知りたくて対岸の多摩川右岸をめざしたところ、8月中旬から下旬にかけての日没する太陽の位置が自分にはより好ましいことがわかった。それで、しばらくその右岸に通った。

■初日は敗退
事前にGoogleマップとストリートビューを繰り返し見て予行演習をしてからはじめて右岸に行った日は、水辺に出るのに多摩大橋の近くから土手から降りてしまった。そうすると草が繁茂しているのと大きな石が転がっていてランニングシューズでは歩くにくく、橋梁になかなか近づけなかった。結局はふたたび土手に戻るはめになり、そうしているあいだに、209系3100番代車ハエ71編成が去ってしまい、この日はこの区間をちょうどいい時間帯には通過しなかった。

おまけに、日没前に雲が多くかかってしまい、望んだ空模様にはならなかった。あまり遠くから撮るのもおもしろくはないし、望遠レンズで望遠圧縮効果をねらうと上流の拝島橋が写ってしまう。いろいろと気に入らず初戦敗退したというわけで、川で砂を瓶に入れて自宅に持ち帰り再戦を誓う……ことはしなかったものの、「ひつこいカメラのおっちゃん」としては再度挑戦することをめざした。


■二度目は三脚も持参した
だんだん日の入りが早くなっているので、天気予報に晴れの印がある日にもう少し早めにあらためて右岸を目指した。いつも逆光側から撮影しているのでもう少し早い時間に夕方の斜光線で順光側からも撮ってみたくなったからだ。三脚とサブカメラ、動画撮影をしたくなったときのためにステレオマイクも用意した。

この日はとてもありがたいことに、209系3100番代は2編成ともに運用入りしていた。しかも、うち1編成は夕方に拝島を出庫して八王子と箱根ケ崎の区間運転に用いられる運用だったので、短時間で複数回遭遇できた。

運用を観察されているくわしい方々によれば、2020年8月末現在、八高線・川越線用のE231系3000番代車のうち2編成が大宮車両センターに入場してワンマン化とおぼしき工事をしているのだそうだ。それで、予備車的存在である209系3100番代車が運用復帰しているらしい。そういう事情は門外漢の私にはわからないものの、いちどは姿を消したと思われた209系3100番代車が走っているのはおもしろい。

そこで、これさいわいとばかりにレンズやアングルを変えて絵柄を増やした。今年の夏休みの宿題をこういうかたちでこなした気分だ。




そのわりにはここにその順光側からの写真がない。それは……列車通過時には厚い雲が出て太陽が隠れてしまい、光線状態が中途半端になったのが気に入らず、逆光側にけっきょくは回ったからだ。お盆のころからずっと日没前にいつも曇ってしまう。

このあと、じつはもういちど通ってみたものの、やはり日没前に曇ってしまった。天気ばかりは仕方がないなあ。週間予報によればこれからしばらく天気がよろしくないようだ。台風シーズンが近づいてきてこうして夏が終わっていくね。もう少ししたらまた再度挑戦するつもり。もっとも、午後の順光側となる上流から橋梁をねらうと多摩大橋や左岸の多摩川上流水再生センターの建物も映り込む可能性もあるから、いろいろな工夫が必要だ。

■水量が多いから右岸は水遊びには向かない
さて、公共交通機関を使って多摩川橋梁の右岸側にアクセスするには、八高線小宮駅から歩くか中央線日野駅から路線バスを使い、多摩大橋停留所で下車する方法がよさそうだった。路線バスの本数も少なくはない。小宮駅からの直線距離はそう遠くはないが、駅は高台にあるのでどちらかというと行きに利用するほうが楽かもしれない。

また、八王子市水再生センターがあるために河川敷に出るにはやや迂回する必要がある。なお、自家用車では多摩川右岸の河川敷に入ることはできないし、すぐ近くには利用しやすい駐車場が見当たらないように思えた。

右岸も河川敷を歩くことはできる。だが、この右岸側のほうが川の水量が多く、水深の深い場所が多いために水遊びには向かない。左岸とことなり護岸してある部分が多くその斜面も急だ。中洲へ渡ってなにかの調査をしている方々がいたのでたずねてみたところ、右岸から中洲へ行くには川底の砂利に苔が生えているためにすべりやすいこと、水が濁っていて足元がよく見えないこと、中程に泥が溜まっている場所があること、場所によっては身長170センチメートル後半の男性の胸元までの水深のある場所もあるという。

彼らはきちんと長靴などの装備を固めているし、集団でおたがいに注意しながら渡河している。それを聞いて渡河にふさわしい装備のない私は中洲へ渡ることをあきらめた。ここで水遊びをするひとが見当たらないのは賢明だ。水に入って遊ぶのは左岸のほうがいい。もっとも、左岸にももちろん深い場所はあるので気をつけたい。さらにいえば、飲酒して水辺で遊ぶというのはとても危険だ。カメラを持ってふらふらしながら水に入るのも危ないと思う。

【撮影データ】
Nikon Df/AF-S NIKKOR 50mm f/1.8G (Special Edition), AI AF Micro Nikkor 105mm F2.8D, AI AF Nikkor 180mm f/2.8D IF-ED/RAW/Adobe Photoshop CC 2020