2020年9月16日水曜日

【上信電鉄撮影記事】9月の雨……700形電車と250形電車


■秋になっちゃったなあ
9月の半ばになるとすっかり季節は秋のよそおいだ。日中の気温が高くなった日にしかもうセミの鳴き声も聞こえず、朝晩はむしろ秋の虫たちの大合唱ばかり耳にする。そして、台風シーズンの到来でもある。すっきり晴れずに曇り空が広がり、にわか雨に見舞われることが増える。このブログを振り返ってみても9月にいつも晴れないと書いてばかりいる。


先週のひさしぶりの上信電鉄の訪問は短い時間だったのに、出会った電車は700形ばかりだった。それ以外に運用入りしているのを見たのは6000形だけだ。700形は2017年に譲渡されて2019年から順次運用を開始し、2020年3月に第5編成まで運用入りしている。乗務員の習熟のためにもできるだけ多く用いようとしているだろうし、電動車と付随車の比率が1M1Tであることを考えると、全電動車編成(2M)の1000形、6000形、500形にくらべるとおそらく電力消費量も少ないはずだ。

■よく考えたら700形は編成ごとにみな色が異なる
私はまだコーラルレッドにパープル帯の上信電鉄リバイバルカラーをまとった第5編成を自分の目で見ることができていない。フルコンプリートできていないんだ。昨年秋にはすでにホワイトタイガーラッピング塗装の第3編成まで運用入りしていたものの、JRリバイバルカラーの第4編成はまだ竣工途上だった。それから今年の秋まで1年近く訪問できなかったから、冬と春に走り始めた第4編成と第5編成は見ることができていなかったのだ。昨年12月に行われた第4編成の運行開始記念臨時列車も見に行けなかった。それにしても、上信電鉄感謝フェア2019のときに高崎の検修庫で作業途上だった電車がまさかそのままJR時代の塗装で出場するとは予想していなかった。そして、現在営業運転を行っている5編成のどれもがことなる塗装になるとはね。ちょっとおもしろい。

■第1編成を見ていると……まんじゅうこわい、お茶こわい


700形電車の塗装で私が気に入っているのは第1編成のクリームとグリーンの塗装と第5編成のコーラルレッドにパープル帯の編成だ。上信電鉄の電車になったのだから、上信電鉄オリジナルの塗装が好ましい。「国鉄型電車には原型の塗装がいい」などと以前は書いていたので、自分の心境の変化に驚かされもする。ひとはかわるものですよ……とうそぶいてみるか。もちろん、JRリバイバルカラーの第4編成にあるJRロゴマークを模したJDKロゴのあたりには、思わずにやりとさせられるおもしろさがある。ただのリバイバルではない。上信電鉄の「高崎検車区の匠のみなさん」の腕前と発案されてJRと交渉して実行された「中のひと」には敬意と感謝の気持ちはもちろん強く持っているよ。



ただその……JR107系電車として見慣れているアイボリー地にピンクとグリーンの帯のもともとの塗装自体が正直にいうと私の好みではなかったからかもしれないな。もし第4編成を高崎駅で見かけたら、あれれれれ、止まっているプラットホームがちがうよ! と混乱しそうだ。烏川橋梁で見ても……ここは両毛線か吾妻線だったかな……と思ったから。いっておくけれど、JR時代には2連で運用されていなかったことは知っているからな。

第1編成の塗装が好きなのはむかしの地方私鉄の塗装のようでもあり、日光線で用いられていた107系電車0番台の晩年のクリームとブラウンの塗りわけのバージョンちがいにも見える。私にはなんとなく和菓子を連想させるので見ているとおいしいお茶がほしくなる……というのは誰にも通じなそうだ。まんじゅうこわい。お茶こわい。




■250形のブレーキ装置変更とは
ちなみに、譲渡された700形電車は2両編成6本なのであと1編成あるはずだ。でも、おそらくこれは部品取りにするのだろうか。ともあれ、5編成が運用入りしたことで上信電鉄ではもっとも数が多い電車になり、廃車になった150形3編成と、200形のデハ204-クハ304、デハ205、デハ251と編成を組んでいたクハ303を置き換えたと解釈している。そして、2020年度上信電鉄安全報告書(リンク先はPDFファイル)を見ていたら、こういう項目を見つけた。



車両ブレーキ装置変更:251・252号・1301号

これが意味するところは私にはわからない。250形とそれに合わせて1000形から改造されたクハ1301は200形電車に合わせていささか旧式の自動空気ブレーキ(AMAR)を備えているといわれている。200形電車を用いないならこれに合わせている意味はなくなる。ただし、このうちデハ251号車はデハ205号車に代わるバラスト列車牽引車時の牽引代用として再整備されたようだから、貨車を改造しない限り同じブレーキシステムのままである必要がありそうだ。事実上固定編成を組んでいるデハ252-クハ1301はブレーキ装置を応答性が高くより近代的なHRDなどに変更しても問題はないだろうけれど。そういうわけなので、沿線在住でもないただのひとりのヲタのすぎない私にはなんともいえない。どういうことなのかなあ。

ただし、私に理解できる重要なことがある。それはこのデハ251号、デハ252号とクハ1301号はまだまだ走り続けるということだ。前年には屋根の補修も行われている。使うつもりのない車両の補修はされないはずだからね。これらの活躍を見るためにも上州路にまた行かなくちゃ。

【撮影データ】
Nikon Df/AI AF Nikkor 35mm f/2D, AF-S NIKKOR 50mm f/1.8G (Special Edition), AI AF Micro Nikkor 105mm F2.8D/RAW/Adobe Photoshop CC 2020