2023年7月22日土曜日

【西武狭山線撮影記事】「イエロー×ベージュ」の新101系電車リバイバルツートンカラー編成同士の交換シーンを日没直後の薄暮に時間に撮る

夜の狭山線送り込み回送1本めがアプリに表示された
(回送列車なのでアプリに表示されないこともある)


■「イエロー×ベージュ」のリバイバルツートンカラーだけが走る日を求めて

先日のエントリーで「黄色い101系電車」だらけのひとり「西武狭山線大撮影大会」などと書いた。

そこでは2023年7月現在の西武狭山線に充当される小手指車両基地所属の新101系ワンマン運転対応4両編成について、牽引車代用の全電動車編成である263編成と「イエロー×ベージュ」のリバイバルツートンカラーをまとった245編成もしくは249編成の、計3編成あるうちの2編成が、野球の試合が開催されない平日通常ダイヤの日の夜に走ることを説明した。

なんらかの事情で新101系の4両編成が充当できない場合には、新2000系の4両編成が代走するようだ。新2000系の4両編成は小手指車両基地にはいまは所属していないそうで、南入曽車両基地か玉川上水車両基地の車両になるようだ。この部分は某ミニブログサービスにあった複数の目撃情報からの類推であり、自身では裏が取れていない。したがって「そうだ」「ようだ」と伝聞や類推の表現を使っている。

その記事を読んだ慧眼な方は、狭山線運用の新101系が3編成あるならば、イエロー×ベージュの245編成と249編成の2本が運用入りする可能性もあることに気づいたはずだ。

私自身は、西武鉄道における新101系電車でクモハ奇数車の唯一の生き残りが含まれる黄色一色の263編成が好きだ。先頭車にも2丁のパンタグラフがあって迫力がある。いまふうにいうと「ビジュが強い」「顔が強い」……やはり無理に若者の言葉を使うと痛々しい。

英語でいう「ビジュアル」とは「視覚の〜」「目に見える〜」という意味の形容詞であり、「外見」といいたいならば「アピアランス」などと、英語ではべつの言い方をする。和製英語だと知っていても、「外見」という意味で「ビジュアル」という単語を言語オタクのヒヒジジイとしては使いたくはない。俺氏にはそれを使ってもアド(アドバンテージ、利点)がないんすよ。また無理した。

そういうわけで、もっと標準的で普遍的な言い方をすると「263編成は力強くてカッコいい」。多摩湖線や西武園線でも263編成が姿を現すとおおいによろこんだものだ。

それでも、イエロー×ベージュ2編成が狭山線で用いられるようすも見てみたい。多摩川線で以前撮ったことがあるけれど、それはそれ。

この日の1本めは249編成だった

■「平日通常ダイヤ」の夜に「イエロー×ベージュを2編成を充当」は待ち構える必要がある
そう思っていても、野球シーズンのなかでの「平日通常ダイヤ」(つまりベルーナドームで野球の試合が開催されない日)の「夜」にイエロー×ベージュの245編成と249編成の両者が充当される機会は、意外とそう多くはない。もちろん、私自身が狭山線沿線で待ち構えることが可能な日であるという条件も加わると、なおのこと回数が減る。

朝のラッシュアワーから午前中にも狭山線運用では2編成が用いられるために、イエロー×ベージュが2編成になる確率はより高い。だが、平日午前は私自身には行きづらい。そして、夏場の強い光でできる余計な架線や架線柱、ケーブル類などのとても濃い影や、コントラストの強さに注意する必要もある。だから、そこに気を使わないで済み、まだ日没が19時前後のこの時期の夜に私は撮りたい。私自身が、暗くなってから走る列車の姿が好きだという理由もある。

そういうわけで、沿線に夕方行くことができる時間を捻出しては、しばらく待ち構えるということを先日から行っていた。

雷雨が迫っていて空が真っ黒になった。でも249編成を見てガッツポーズ

1本めの回送列車は西所沢を通過していったん所沢へ

18時41分西所沢始発の列車が所沢から戻ってきた

池袋線下り列車を待つ

■2本めにもイエロー×ベージュが来ることがわかったときの筆者の気持ちを推論せよ
ベルーナドームにおける試合日程を見て、野球の試合が行われない、もしくはアウェイである日の夕方に西所沢に早めに着いて、小手指車両基地からの狭山線送り込み回送列車を待つということを何度も繰り返した。

西武線アプリには回送列車は必ずしも掲載されるとは限らない。西武鉄道の「中の方」のみなさんが、アプリにわざわざ回送列車を載せてくれたときには、むしろありがたいと思っている。「アプリに回送列車をなぜ載せないのだ」などという無粋なクレームは、頼むから西武鉄道にも私にもしなさんなよ。客扱いをしない回送列車をアプリに掲載する義務があるわけではないのだから。

そうして待っていて、回送列車が下り方から姿を現して……イエロー×ベージュの245編成か249編成のどちらかであることがわかると、まずは「よっしゃ!」と心のなかで叫ぶわけです。大人だから、あくまでも心のなかだけで。もっとも、ここで1本めに263編成が来ても、もちろん撮るよ。好きだからさ。

アプリに2本めの回送列車も表示された

今夜の狭山線はイエロー✕ベージュ2本と確定

2本の列車が上下交換するシーンを撮るために自分が交換駅に先行すると、2本めの狭山線送り込み回送列車の姿はアプリに表示されない限り、西所沢18時55分発の列車として運用入りして交換駅にやってくるまでわからない。だから、心拍数を上げて待つことになる。

2本めもイエロー×ベージュであることが確定!

下り列車のほうが先にやってきた

踏切警報機が鳴るまえのわずかなタイミングで

■オートフォーカスの使い方にも試行錯誤
2本の列車ともにイエロー×ベージュであっても、まだまだ油断するわけには行かない。本番はむしろこれからだ。

いいですか。落ち着いて聞いてください……交換駅にはどちらが先に来るかによって、両者がねらったように並ぶとは限らないのです。

ラッシュアワーでもあるので、西武球場前行き列車が西所沢で池袋線下り列車から乗り換える乗客を待って遅延することは少なくはない。この遅延の時間が大きいと、さきに交換駅にやってきていた西所沢行き上り列車は、下り列車が交換駅に入線してすぐに発車してしまうようだ。

本来は同時刻に発着するようなのだが、遅延の有無は状況次第だし、運次第ともいえる。自分の力ではなにもできない。だめならまた次の交換のタイミングなり、べつの日に撮るほかない。そういう不確定要素もおもしろがることができないなら、この趣味は楽しめない。

上下がほぼ同時に発車して両者をうまく画面に収めることができた

上り列車がさきに発車してしまうとこうなる

もうひとつこの撮影の難易度がそれなりに高くなる要因がある。それは、夜間であると使うカメラによってはオートフォーカス(AF)の測距精度が落ちてしまうこと。夜間で、なおかつ正面がちに強い前照灯の光を受けると、幻惑されて誤測距する、もしくは測距不能になる機種がある。

位相差AFを持つ一眼レフであっても、私が使うカメラではNikon DfはAF任せではあやしい。「39点マルチCAM4800オートフォーカスセンサーモジュール」は検出範囲が-1〜+19EVだ。低照度下ではAFの測距精度が大きく落ちる。D7000やD600シリーズも同じAFセンサーモジュールを使用していたはずだ。D7000のときにAFを使いたい場面で困らされていたことを思い出す。

仕様がそうなのは仕方がない。私は試行錯誤の結果、Dfでは暗い場所においてAF動態追従撮影はあきらめている。AFレンズを使っていても、線路を使って事前にピント合わせをしておいてフォーカスロックをしておき、列車がその位置にやってきてからレリーズするという「置きピン」で撮るほうが、誤測距をせずに確実だと気づいたからだ。

*もしかして「置きピン」の説明も必要なのかも。CAPA Camera Webにある解説ページのリンクを貼っておくので参照されたい。ただし、筆者の場合はフォーカス優先のシングルAF(AF-S)は使わず、ピントが合わなくてもレリーズを優先する(どんな状態でもシャッターをきることができる)コンティニュアスAFサーボ(AF-C)とフォーカスロック(AFロック、AF-L)を使う。そして連続撮影も用いる。

掲載写真のほとんどのカットはAF-C(ダイナミック9点)で撮っているが、交換駅を下り列車が出発するシーンだけは置きピンだ。Dfも親指AFに設定しているので、AF-ONボタンから指を離してピントを固定するという手法で撮っている。

いろいろと工夫しないといけない撮影もたまにはいいものだ。頭の刺激になるからね。それと……趣味の撮影ならば失敗する自由や楽しさもある。

もっと新しいカメラであればAF-Cと連続撮影でも撮影できるのではないかとは思う。-3EVから検出可能な「アドバンストマルチCAM3500II」を搭載している旧製品のD7200でも、おそらくはAFで撮れるはず。この場所でD7200を試していないから確信は持てない。でも、発売直後に試用してもっと厳しい状況でAFが使用できた記憶がある。だからこそD7200を使い続けているのだ。なにしろ、D7200のAFで困らされたことがないもの。

イエロー×ベージュ同士の交換シーンがいちばんしっくりくるね

日が長いうちにほかのシーンも撮りためておきたいと思っている。2023年7月にこうして新101系電車のイエロー×ベージュの姿を西武線内で見ることができるのは、奇跡みたいなものだと思うもの。もちろん、関係各位のみなさんのご尽力のたまもののはずで、そのことには感謝の気持ちでいっぱいだ。

【注意】上下交換で列車が駅を発車するシーンは、交換駅下り方の踏切から望遠レンズを手持ちで安全に注意しながら、遮断器と柵の外から撮影しています。また、列車から下車してきた乗客のみなさんや、踏切を通行する車両の通行に支障をきたさないように、バックパックタイプのかばんは体のまえで抱えています。さらに、撮影を終えたら遮断器が開くまえに場所を踏切横断者に開けています。とても狭い場所なので複数人での撮影はしづらく、三脚の使用はできません。手持ち撮影であっても、周囲の状況に十二分に注意を払う必要があります。ご注意くださいませ。

【撮影データ】
Nikon Df/AI AF Nikkor 35mm f/2D, AI AF Nikkor 180mm f/2.8D IF-ED/RAW/Adobe Photoshop CC