2016年10月21日金曜日

【秩父鉄道2011年10月】1007編成チョコバナナに出会う


■2011年10月のこと
なかなか趣味の撮影に行けないでいるあいだに、秋は深まりつつある。朝晩の気温の低さに秋を体感しつつも、デスクワークをしているのはいささかもどかしい。そんな作業の合間にハードディスク内で写真を探していて、2011年秋の写真を見つけた。旧ブログではこのときのことを記事にしていたものの、いまのブログではそれを再構成してはいなかった。そのために、ひさしぶりに自分でなんだかしんみりしながら見入ってしまったのは、もちろん秋めいてきた空のせいか。「もう5年も前なのか」とすなおに驚かされる。


■秩鉄持田駅にて
2011年10月のある曇りの日曜日の午後のこと。私は秩父鉄道持田駅に降り立った。その頃はまだ、JR東日本より譲受した旧国鉄101系電車である1000系電車全12編成のうち、まだ6編成が健在だった。1986年に秩父鉄道にやってきて以来、1000系電車は長らく主力電車として走っていたけれど、2011年秋の頃はまだ代替車両である7000系電車と7500系電車が全5編成だけだったので、まだまだ1000系電車の走る姿を見ることはむずかしくはなかったと記憶している。

じっさい、この日も熊谷からは1003編成オレンジバーミリオンIIに乗ってきた。私は熊谷で羽生行きとしてパンタグラフを上げて点検中の1007編成チョコバナナを見かけたので、羽生よりの北武区間で先行して待ち構えたというわけだ。





■秋の深まりを見てしんみり
10月の終わりというのは首都圏では街中にいると、街路樹やところどころに植えられた広葉樹の色づきを見るくらいで、秋らしい情緒は写しにくいかもしれない。持田駅前は住宅が立ち並ぶが、行田市の街はずれに位置していて、熊谷よりに行くと田畑もあり駅周辺には寺院がいくつかあるせいか、秋の気配をひしひしと感じさせた。もちろん、撮影者の勝手な感傷ではあるだろうけれど。



■わずかな鉄道散歩でも楽しめた
雨の気配を感じて、羽生から戻ってくる電車を駅前で待つのをあきらめ、熊谷まで戻ることにしてホームに戻った。ホーム端から上り列車をねらう。するとカーブを曲がって1007編成が戻ってきた。線路の路面と架線にヘッドライトが反射して、あたりがわずかに明るく見えた。そそくさと乗り込んで、熊谷へ戻った。わずか数時間の散歩にしては、なんだかとても収穫があった気がした。

【撮影データ】
Nikon D2X/AI Nikkor ED 180mm F2.8S、AI Nikkor 28mm f/2.8S/RAW/Adobe Photoshop CC(Camera Raw)にて現像/Google Nik Analog Efex2(レンズ名表記は現行表記にしてあります)2011年10月撮影