2016年10月24日月曜日

【上毛電鉄撮影記事】「上州の野武士」秋の赤城南麓を疾走す


川面に風が波を立て、河原の草が揺れる。ススキの穂が晴れた空のもとできらきらと輝いている。そこへ、橋梁の上の線路のジョイント音が大きくなりはじめて、ゆっくりと電車そろそろと電車が川を渡る。ああ、秋になったんだなあ。

このところデスクワークにいそしんでいた筆者は、気分転換のためにもできればそんなステキな絵を撮りたくて、上毛電気鉄道大胡電車庫イベントが行われた日、赤城南麓を訪れた。
事前の天気予報だとこの日は曇りとあった。そして、イベントに合わせて運行されるデハ101号車は、大胡→西桐生→中央前橋→大胡(大胡出庫9時51分、入庫12時18分)と、春のときよりも行路が短い。春のイベント開催時は、デハ101はずっと沿線を走っていて、イベント開催時間内に大胡に戻ってこなかった。もし曇り空ならどうしよう……前夜、撮影場所を考えていておおいに悩んだ。曇りなら、画面に赤城山を入れるのはやめておこう。渡良瀬川橋梁なら空を写さないでもいいか。

ところが、うれしいことに当日の朝になったら晴れている。そして、デハ101の第一便は大胡から西桐生に向かう。そうなれば、渡良瀬川橋梁でもなおさらメリハリがつくだろう(空模様をあまり信用していなかった)。そう思ってまずは富士山下で下車した。順光側から撮ると桐生市内の家並みと赤岩橋がめだち、ケーブルが車体にかかるので、いつもとおなじように下流側の赤岩橋のビュースポットから撮った。

その後、西桐生から折り返してくるデハ101を同じ場所で撮るのもつまらないと思い、中央前橋行きのデハ101に先行する列車に乗り込んで撮影場所を考えた。ところが、渡良瀬川ぞいにいたときから風が強いことを気にしていたけれど……やはりだんだん雲が出てきて……空は真っ白に。晴れれば赤城山を写すのに有名な女渕城址公園のあたりもいいなあ、と思っていたのに。あそこは広いから収容人数も多いのだ。でもなあ、うーん。

結局、中央前橋行きデハ101は上泉の駅付近で軽く撮り、大胡に戻るデハ101は少し歩いて桃ノ木川橋梁の手前の築堤でねらうことにした。パンタグラフのない非貫通側の正面を撮りたかったから、私がいちばんねらいたかったのはこの行路だ。とはいえ、私が到着したのは列車通過20分前と遅く、待ち構えているみなさんが多いうえに、みなさんは手前に稲をいれるようだったので、線路の築堤下からはねらえない。

けれど、私にはこの場所で離れて撮るとどうも背景の家並みが気になる。列車の背後に中途半端に建物を入れたくないのだ。そこで、桃ノ木川の土手で列車で家並みを隠すために、土手の川への斜面側に座った。広角レンズを使っていろいろ隠す作戦だ。ただし、この構図は晴れないとしまらない。モノクロにしようかなとためらいつつ準備をしていると、空はだんだん暗くなる。ああ。

そこへ、デハ101が上泉に入線してきたのが見えた。駅を発車すると桃ノ木川橋梁上の線路のジョイントが鳴り始めた。勾配を駆けるためにデハ101も加速しはじめて、吊り掛け駆動のモーター音がうなる。空が真っ白になりませんように! 頼むぞ! と思いながらレリーズした。



【撮影データ】
Panasonic LUMIX GX7 Mark II/LEICA DG SUMMILUX 15mm / F1.7 ASPH., LUMIX G 42.5mm / F1.7 ASPH. / POWER O.I.S./4K連写(S/S)

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