2020年10月22日木曜日

【秩父鉄道撮影記事】マニュアルフォーカスニッコールレンズを持って秋晴れの秩父路散歩(その1)「松尾さん」ことデキ108の登場

武甲山の麓の駅で下車してすぐにデキ108号と遭遇した

■ひさしぶりの青空に身軽に出かけたくなった
東京首都圏では、今年はもう大きな台風がやってくることはなさそうだ。けれど夏の終わりごろから晴れ間が見えない日が多い。そして昨今のあれもまだ継続していると思うと、あまり遠くに気楽には出かけにくい。そんなある日、天気予報はひさしぶりの晴れを示していた。そこで、思い立って平日休みにして秩父鉄道を訪ねた。正直いうといろいろとがまんはしている。けれど少しは私も遠出をしたくなったのだ。それも、カメラはできるだけ身軽な装備で。むかしからこのブログでなんども「Nikon Dfでのんびりと好きな鉄道路線を撮ってみたい」といいながら、なかなか実行できないでいたから。


そこで持っていく装備は以下のように決めた。レンズはマニュアルフォーカスのAI-Sニッコールレンズを4本。ボディはNikon DfとマウントアダプターをつけたSony α7IIにした。三脚は持参しなかった。4本のレンズとボディ2台で軽装なのかといわれると、AI Nikkor 35mm f/1.4SとAI Nikkor 85mm F1.4Sの大口径レンズは持たなかったから「私にしては軽装」というにとどめておく。

1980年代のSタイプAIニッコールレンズにはフィルター径⌀52mmでAI Nikkor 50mm f/1.4Sと大きさがあまり変わらないシリーズがあり、今回持って行ったのはAI Nikkor 28mm f/2.8S、AI Nikkor 50mm F1.8SそしてAI Nikkor 85mm F2S。さらに⌀72mmのAI Nikkor ED 180mm F2.8Sだ。結果的には予備機のα7IIはほとんど使わなかったから、もっと軽装化できるかも。

大人だから声に出さないけれど、変な声をあげそうになった

■武甲山の麓の駅で降りてみると 
武甲山の麓の駅に着いたのはお昼前だった。紅葉にはまだ早い。寄居から秋晴れの山並みを見ていて、途中のどこかで降りようかと思いながらも武甲山の麓の駅まで乗り通したのは、武州原谷貨物駅に鉱石貨物列車の姿が見えなかったから。そう、ひさしぶりの訪問で『貨物列車時刻表』も持ってくることさえ忘れていたのだ。けれど、寄居と親鼻で上り鉱石貨物列車と交換したから、運休ではないはずだ。家を出たときは曇り空だったのが昼になってすっかり晴れて汗ばむほどの陽気だ。ノープランで行動しているので、武甲山の麓の駅で降りて駅の周りを歩いてみることにした。コンビニエンスストアがなくなってしまったから、お昼ご飯はどうしようかなあなどとのんきに考えながら。

武甲山の麓の駅のようすは令和2年になってもあいかわらず

■デキ108が三輪から降りてきた
すると、遠くから汽笛が聞こえてなにやら列車がゆっくりとやってくるのが見えた。予期していなかった「松尾さん」こと、デキ108号牽引の鉱石貨物列車が三輪(みのわ)線から武甲山の麓の駅に入線するところだった。あ、「松尾さん」というのはこのデキ108号が松尾鉱業鉄道からやってきたというだけで、いま私が急に思いついたあだ名だ。いちばん好きな電気機関車がやってきて動揺した。 

ひさしぶりに秩父鉄道を訪問してすっかりいろいろと忘れている私でもようやく、今日は平日だから三輪鉱山発着の列車が走っていることに気づいた。よく考えてみたら、私は1000系電車が走っているころも午後から夕方ばかり撮っていたし、そのあとも土日のSLパレオエクスプレスを追いかけることばかりしていて、平日の午前から昼にかけての三輪鉱山発着の列車をずっとねらっていなくてその存在を忘れていたのだ。しかも日曜日は三輪鉱山発着の列車は運休になるから、武州原谷発着になる。秩父党のくせに私はいろいろとあれだ。

三輪鉱山から降りてきた鉱石貨物列車はたしか武甲山の麓の駅でいちど停車して、そう待たずに出発するはずだ。そこで、上り方の踏切へ行って観察することにした。案の定、数分停車してから再びデキの前照灯が灯り、汽笛を鳴らして鉱石貨物列車が動き出した。ひさしぶりに見る姿がかっこよくてしびれてしまい、今日は鉱石貨物列車を撮る日にすることに決めた。しかも、情緒をねらってかっこつけた「スカし写真」ばかりではなく、「ごくふつう」のガチな編成写真も撮っちゃう! お昼ご飯のことは忘れた。

【2020年10月28日追記】
デキ108号は2020年12月で引退するむねが秩父鉄道が11月3日(火・祝)に行われる「ちちてつ秋まつり~SL転車台公園オープン記念イベント~」で当日配布予定のパンフレット原稿に書かれている(リンク先は同PDFファイル)。それによれば貨物車両を牽引するのは11月3日が最後だともある。この日私はもちろんこういう事情は知らなかったわけだから、じつに幸運な邂逅だったのかもしれない。

鉱石貨物列車が動き出した

■東武東上線経由で行くならば 
今回の秩父鉄道訪問には「東武鉄道×秩父鉄道SAITAMAプラチナルート乗車券」を利用した。これは東武鉄道東上線・越生線全線および秩父鉄道寄居~三峰口間が乗り降り自由になるもの。価格は1,900円均一で東武東上線と越生線、および秩父鉄道寄居〜三峰口で2020年7月より通年発売している。つまり、東武鉄道だけではなく秩父鉄道でも発券するので、秩父鉄道沿線在住の方が東武鉄道を利用するさいにも購入できる。 

20両のフル編成がゆっくりと勾配を下りていく

ヲキフもひさしぶりに見られていうれしいなあ

ええと、具体的にいうと池袋から寄居経由で三峰口まで乗ると片道で1,730円だ。「東武鉄道×秩父鉄道SAITAMAプラチナルート乗車券」は発駅がどこであっても1,900円均一なので、遠距離を利用するほど割安感が増す。埼玉県内である「時の鐘と蔵の街」の駅から東武東上線を利用する筆者が武甲山の麓の駅まで行っても片道で1,340円なのだから、往復に通常の乗車券を購入するよりも割安だ。

東武東上線と越生線内でも自由乗降ができるので、観光客ではないけれど「秩父に行った帰りに八高線や東武越生線も撮っちゃうぞ」などということをしている私に最適なのではないか。この切符の趣旨は秩父鉄道沿線に行った帰りに東松山で辛味噌の焼きとり(正確には焼きとん)を食べるとか、川越で遊んで帰るようなことをみなさんもぜひやってみてくださいね、というものだ。ぜひお試しあれ。

【撮影データ】
Nikon Df/AI Nikkor 85mm F2S, AI Nikkor ED 180mm F2.8S/RAW/Adobe Photoshop CC 2021