2023年9月6日水曜日

【ニッコールレンズとコンタックスメタルフードの話】いろいろなニッコールレンズにコンタックスメタルフードを装着して悦に入る俺は「フード病」をこじらせたに決まってる 後日編 シーズン3 「コンタックスゼラチンフィルターホルダー」という病

Nikkor-S Auto 55mm F1.2にも
コンタックスゼラチンフィルターホルダーを装着した。
メタルフード4も似合う気がする

【サマリー】
「コンタックスメタルフード」とは、かつてのヤシカ/京セラが2005年までコンタックス(「CONTAX」とすべて大文字で記す)ブランドで販売していた高級フィルムカメラの交換レンズ用ねじこみ式金属製レンズフードのこと。そのうちでも、とくにRTSシリーズ35mm一眼レフ用に用意されていたメタルフードをおもに指す。質感に優れていて、各種リングと組み合わせて使うシステムフードだった。このシステムにはゼラチンフィルターホルダーもあった。これを各種Fマウントニッコールレンズに転用して筆者は楽しんでいた。SタイプAIニッコールレンズやDタイプAFニッコールレンズといった80年代から90年代のデザインならば似合うかと思ったからだ。そんなある日、1960年代のNikkor-S Auto 55mm F1.2に装着してみたら……南無三、セリヌンティウス。私を殴れ。

2023年8月18日金曜日

【撮影術】三脚使用時に確実にぶらさない工夫の話 その2実践編

【はじめに】
三脚を使っているのにぶれる、そんな状況におさらばするための対策について今回は書く。あらかじめ注意喚起しておくが、今回もまた長いよ。Chu! 話長くてごめん。

真冬の秩父鉄道親鼻橋梁で終電の時刻を気にしながら星の軌跡と列車を撮った。
連続撮影したものをAdobe Photoshopで比較明合成(コンポジット)している。
こういう撮影では寸分たりともぶれてほしくない

■安定した場所に三脚を設置して各部のゆるみを締めること

ぶれをなくす基本中の基本は、三脚の設置場所に気をつけて三脚自体のゆるみをなくすこと。


設置場所はできれば舗装されているような、乾いていて固い場所にしたい。


そう書くとあたりまえのように思われそうだが、ずぶずぶと沈む濡れた土のような場所に仕方なく三脚を設置することや、浅い川の砂利のなかに置くこともあるかもしれない。それでも、できるだけ固い場所に設置しよう。


そして、あわててセッティングすると意外とどこかのネジを締め忘れることはありえる。これにも注意したい。時間の余裕を持って撮影できるように準備をしておくことも、ぶれ対策に役立つ。


石突が交換できるモデルなどはこの部分のゆるみにも要注意


石突(いしづき)を交換できる三脚もある。湿った土などに設置するならば交換用のスパイクを使うのもいいだろう。ただし、このスパイクは移動中は外しておこう。交換式ではなくスパイク収納式の場合は収納しよう。他人にぶつけるとあぶないから。


そして、石突部分のねじをしっかり締めること。意外とこれは盲点だから気をつけたい。

2023年8月17日木曜日

【撮影術】三脚使用時に確実にぶらさない工夫の話 その1選び方編

■「三脚を使えばぶれない」わけではない
夏場は三脚を使う撮影が増える。昼が長いにもかかわらず。それは、花火撮影や星景写真、空の動きをタイムラプス(微速度)撮影で記録する機会が筆者には増えるからだ。レジャーシーズンで冬よりも活動的になるから、ともいえる。いずれも、どれだけカメラやレンズの手ぶれ補正機構の性能が向上しても、三脚なしには写すことができないものだ。

たとえば筆者はタイムラプス動画を撮るのに動画モードではなく、静止画をインターバルタイマーを使って連続撮影し、それをつなぎ合わせる。だから、撮影時にわずかでも画面が動いてほしくはない。作例は15秒おきに1時間連続撮影した計240カットから作成したものだ。


ところが、ぶれに注意したいから三脚を使うのに「三脚を使ってもぶれてしまうこと」(正確には「ぶらしてしまうこと」)がある。エントリーユーザーには、もしかしたら意味がわからないかもしれない。

2023年7月26日水曜日

【西武池袋線1980年代】「西武倉庫」から見た西武池袋線の列車

急行飯能行き。
101系6両固定編成の上り池袋方に新101系2両編成が連結されている

■「西武市場駅」跡について
『NEKO MOOK 写真で見る西武鉄道100年』(ネコ・パブリッシング 2013年)によると、西武池袋線東長崎〜江古田にはかつて「西武市場(せいぶしじょう)」駅という貨物駅が存在したそうだ。いまの住所表記でいうと、練馬区旭丘1丁目22-13。練馬総合病院の隣の線路沿いの場所だ。

1945年(昭和20年)に長江(ながえ)駅という名前で開業したのだそうだ。「東長崎」と「江古田」のあいだにあるから「長江」だったのだろう。井草と荻窪のあいだに「井荻」、あるいは国分寺と立川のあいだだから「国立」など、西武鉄道(旧国土計画)が開発した土地ではよくある命名法だ。

2023年7月22日土曜日

【西武狭山線撮影記事】「イエロー×ベージュ」の新101系電車リバイバルツートンカラー編成同士の交換シーンを日没直後の薄暮に時間に撮る

夜の狭山線送り込み回送1本めがアプリに表示された
(回送列車なのでアプリに表示されないこともある)


■「イエロー×ベージュ」のリバイバルツートンカラーだけが走る日を求めて

先日のエントリーで「黄色い101系電車」だらけのひとり「西武狭山線大撮影大会」などと書いた。

そこでは2023年7月現在の西武狭山線に充当される小手指車両基地所属の新101系ワンマン運転対応4両編成について、牽引車代用の全電動車編成である263編成と「イエロー×ベージュ」のリバイバルツートンカラーをまとった245編成もしくは249編成の、計3編成あるうちの2編成が、野球の試合が開催されない平日通常ダイヤの日の夜に走ることを説明した。

2023年7月10日月曜日

【ニッコールレンズのお話】AI Nikkor 85mm F1.4Sで撮る薄暮の町

f2.8

■こんどはAI Nikkor 85mm F1.4Sを持ち歩いている
少し前のエントリーで、モノコートで非AI方式のままのNikkor-S Auto 55mm F1.2をNikon Dfに組み合わせて、絞り開放付近で薄暮のころに撮り歩くのが楽しいと書いた。

Dfボディとの重量や大きさのバランスが自分には非常に合うように思えたし、球面収差の過剰補正による絞り開放時のハイライト部分のにじみを使ってみたかった。

2023年6月21日水曜日

【西武狭山線撮影記事】「黄色い101系電車」だらけのひとり「西武狭山線大撮影大会」(2023年梅雨編)

245編成と249編成の2本がイエローベージュ塗装。
写真は249編成で、小手指車両基地から狭山線への1本めの送り込み回送

■西武狭山線の新101系はいまは「黄色い電車」だけ
いまはいちばん日中の時間が長い夏至だ。日没時間が遅いので19時ならばまだ明るい。もっとも、梅雨時で暗い空の日が多いからその恩恵を感じにくいかもしれない。

私はいまこの夏至の恩恵を享受している。それは、西武狭山線を走る新101系電車を、ベルーナドーム(西武ドーム)での野球開催日ではない平日ならば、薄暮のうちに撮ることができるから。

2023年6月16日金曜日

【Nikon Df設定の話】「カスタムメニューf11:シャッタースピードの簡易シフト」を設定してマニュアル露出モードとシャッタースピード優先AEモードで1/3EVステップのシャッタースピードを使う話



■Dfはシャッタースピードダイヤルを使いたい
Nikon Dfを発売時に買ったひとも、2023年のいまでも使っているひとも、大多数のユーザーはむかしのフィルム一眼レフのようなデザインと操作系に惹かれて買ったのだろうと思う。とくに、マニュアル露出モードやシャッタースピード優先AEモードでは、シャッタースピードダイヤルをかちかちと回転させることができる。その操作が楽しい。

そうはいいつつ2010年代なかばのデジタル一眼レフではあるので、前後のコマンドダイヤルを備えていて、それらを使い一般的なデジタル一眼レフ同様に使うこともできる。実際には「ダイヤル操作を楽しみたいならばそういう使い方もできるし、通常の一眼レフのように前後コマンドダイヤルで操作したいならば、そういう配慮もしてありますからね」というカメラだ。

私には、そういう念入りな配慮があるところにも「ニコンクオリティ」を感じさせてならない。

2023年6月9日金曜日

【ニッコールレンズのお話】Nikkor-S Auto 55mm F1.2Sを持って薄暮の町を歩くことが、いまごろ楽しくてたまらなくなったという話

Nikkor-S Auto 55mm F1.2と
ゼラチンフィルターホルダーAF-2

■Nikkor-S Auto 55mm F1.2のおもしろさを思い出した
先日から何回かNikkor-S Auto 55mm F1.2(1965年)のことを書いている。いま相当気に入っているから、ということにつきる。

コシナからVoigtländerレンズシリーズの新製品として、一眼レフ用(ニコンFマウント)のNOKTON 55mm F1.2 SL IIsが発売された。NOKTONのデザインコンセプトの、おそらくはきっかけであろうNikkor-S Auto 55mm F1.2の存在を思い出して、使ってみようと思い立った。

2023年5月21日日曜日

【JR川越線撮影記事】逆光なんて怖くない! カメラのアングルとポジションを工夫する話

Nikkor-S Auto 55mm F1.2で完全逆光だとフレアとゴーストは出る。
背景も整理しきれずにいろいろとよろしくない

■ひさしぶりに川越線の入間川橋梁にも
よく晴れた日の午後遅くに、入間川沿いのサイクリングロードを自転車で走った。こんどは先日のエントリーで記した八高線入間川橋梁よりも下流にある、川越線入間川橋梁をめざした。直通運転を行っているから、走っている車両はどちらも同じなのだが。

2023年5月8日月曜日

【JR八高線撮影記事】太陽と月の位置予測アプリ「サン・サーベイヤー」を使い列車でハレ切りをしながらシルエットを撮る話

河原は水遊びとバーベキュー客でいっぱい

■入間川橋梁の日没方向と時間のことを思い出した
連休期間中にはあいかわらずのように自宅周辺でのんびりしていた。そんな天気のよかった連休前半のある日に、八高線入間川橋梁のことを思い出した。正確にいうと、この時期の日没方向と列車の通過時間のことを思い出したのだ。2年前にも記事にしている。