2015年1月10日土曜日

【西武鉄道1980年代】1986年8月、西武秩父線の主役たちと秩鉄クハニ23号

E851(851号機)、横瀬

■1986年の西武秩父線
さて、先日のエントリーでは1986年8月に秩父鉄道300系電車を見たこと、そしてその際に秩父鉄道線内で乗った電車が国鉄から乗り入れてきた115系電車の上野発の臨時列車『みつみね』号だっということをお話しした。ちなみに、どうして『みつみね』号とわかるかというのも簡単だ。ヘッドマークこそ掲出されていなかったが、側面サボにそうあった。そして、当時の私はそれを写してもいるのだ。ただし、そのカットは超露出アンダーのカットなのでお目にかけるのがはばかれるのが申し訳ない。

そして、行き帰りの西武線内で写真を撮ったことも書いたのだから、改めてそれをごらんに入れるべきだろう。

■秩父は手軽な観光地だった
何度も書いているが、西武池袋線と新宿線の中間に住んでいた私の一家が、レジャーの際によく訪れたのが秩父だった。自家用車を所有していなかったからでもあるだろうし、すでに国鉄は何度も運賃改定がなされていて、西武鉄道を利用して外出するほうがずっと安上がりだった。高尾山や御岳山などの中央線沿線の場所よりも、西武線で行くことができる秩父はずっと身近だった。なによりも子どもだった私は、ハイキングと川遊びができれば十分だった。それほど時間をかけずに遠くに行った気分になることができる地域だったのだろう。

だから、鉄道撮影を主目的に足しげく秩父に通うようになっても、私にとっては秩父は観光をする場所という印象が強い。

■特急退避時間に退屈する西武秩父線内の「快速急行」
さて、その日はそう早起きをしてはいないはずだ。だが、池袋に出たのか石神井公園からか、快速急行『奥武蔵』号に乗っている。いまとなっては古めかしい「ハイキング急行」という名前も覚えている。当時、この種別札がこの大きなサイズになったことは少々新鮮だった。それ以前は、もっと小さいサイズ赤い種別札が提げられていただけ。「急行」も「準急」も赤い札だったはずだ。それが、種別が増えて色分けをする必要があったのだろう。準急が緑、急行が赤、快速急行が赤と青になったのは、1980(昭和55)年のことなのだそうだ。

快速急行といっても、飯能から先は各駅停車だ。いまでも飯能以遠は特急が優先するダイヤだから、途中で交換待ちもあった。芦ケ久保で退屈しながら降りて、列車の正面を撮った。同時に運転室内も撮っていて、そこにクハ1158とあった。よく見ると、このころにはすでに正面の連結器の胴受けの形が変更されていることにいま気づいた。

101系クハ1158、芦ケ久保

そして、この列車に揺られてることもいささか飽きたころに、横瀬でE851を見た。検査あけだったのかまだ美しい塗装の輝きをしている。

■西武秩父始発の特急『むさし』
このあと、秩父鉄道に乗り換えてからの話は前回のエントリーをごらんいただこう。帰り道も写真を撮っている。どうやら、帰りは西武秩父から特急に乗ったようだ。だが、私はすっかり忘れていたけれど、西武秩父駅に停車中の特急を写した写真は、おそらく「特急だから」ではなかったはずだ。

特急『むさし』号は、池袋〜飯能の特急の名称のはず。おそらく、そう思ったからこそ写したにちがいない。当時の私はいまよりも鋭い観察眼をもっていたようだ。地味な少年の私、グッジョブ! なにしろ、いまは鉄道イベントでも幕回しを撮らない大人になってしまったから。

なお、本記事を読まれた読者の方からいただいたコメントによれば、どうやら西武秩父始発でも臨時特急には『むさし』の名称が用いられていたという。

臨時特急は西武秩父発着でも『むさし』が存在したのですね(西武秩父)

■浦山口から影森への急曲線を走るクハニ20を忘れられない
浦山口から御花畑までの数駅で乗ったクハ二20形(クハニ23号車)のことも忘れられない。ニス塗りの車内に緑色の座席シートがとても暖かみがあって美しかった。

そして、夏の夕方の赤みを帯びた日差しをときおり浴びながら、浦山口を出てから影森までの急曲線でレールが擦れる音、つり革同士がぶつかってばちばちと鳴り、渡り板もがちゃがちゃと音を立てていたようすも、いまでもありありと思い出すことができる。でも、もう29年も前の話なんだ。

浦山口からの帰りは100形に乗った。クハニ23

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