2015年11月4日水曜日

【航空自衛隊YS-11FC撮影記事】YS-11FC 52-1151号機をNikon D7200で撮って、2,400万画素&ローパスフィルターレスにしびれる



■航空祭を基地周辺から撮ることに
11月3日(祝)は航空自衛隊入間基地の航空祭が例年行われる。近年、首都圏でエアーショーが行われることもないこと、行楽における安・近・短の志向、さらには航空自衛隊の広報活動の成果によるものか、入場者数の多さには驚かされる。基地所在地である狭山市の人口を上回る来場者数があるといわれるために、近隣の交通渋滞や西武池袋線の混雑も激しい。

その混雑ぶりを知っていることから、基地内に入ることをせずに基地周辺で行き来する航空機を見ていることが私は多い。入退場が可能なゲートが限られており、人出も多い基地内にいったん入場すると退場するまでの時間がかかるので移動しにくい。今年は青空に恵まれたというのに、所用で午後のブルーインパルスの飛ぶ時間は出かけねばならなかった。そこで、9時半から50分にかけて毎年いちばん最初にフライトする飛行点検隊のYS-11FC 52-1151号機だけを基地周辺から今年は撮った。去年もそういえば、そのあと秩父にでかけたのだった。



YS-11FCをD7200だけで撮ってみると
ここ数年はD7000と10年来使っているD2Xを持ちだして、D2Xをおもに使って撮っていた。理由は簡単で、D2Xの位相差AF測距の性能の高さを享受するためだ。動きものでもそう速いものの撮ることが少ない私には、D2XのAF性能に頼らざるをえないから。D7000では動く被写体にAF追従撮影を行うには、使用方法を考える必要があった。

そこで今年ははじめてD2Xを持ちださず、さいきん使っているD7200だけを試してみて、じつに驚いた。まず、AF測距性能がおおきく向上してD2Xなみに使える。これはもっともありがたいアドバンテージだ。バッテリーグリップを外せばボディサイズも小さくできる。ボディサイズが小さくなってAF測距性能がD2X同等ならば、私にとって汎用性が高くなる。しかも、望遠レンズなどの大きいレンズを使う際にはバッテリーグリップを使い、ボディとの大きさと重さのバランスを調整することもできる。

さらに、ダイナミックレンジが狭いD2Xでは逆光撮影時に露出撮影に悩んでいたが、D7200はダイナミックレンジに関してもアクティブD-ライティングを用いることができて「必要以上に露出アンダーで撮ってRAW 現像時にかなり手を加える」必要がない。アップした写真も、RAW現像時に行った工程が大幅軽減している。これはとてもありがたい。



■D2Xのほぼ倍の画素数でローパスフィルターレスという細部描写に驚く
そしてなによりも、ローパスフィルターレスの東芝製*とされる2,400万画素CMOSセンサーとEXPEED 4による画質の高精細さにも驚かされた。画素数がほぼ倍になって、さらに光学ローパスフィルターがなくなることで、細部描写が「できてしまう」。

掲載写真も追い写しをしているが、わずかに動きが同調できずに生じたブレもきちんと描いてしまうカットも少なくなかった。撮影者の腕もさらに要求されるのだろう。こりゃあ、精進しないといけませんな。

この日からD7200はこれで私のメインカメラに昇格した。D2Xよりも携帯しやすいうえに位相差AFはほぼ同じように信頼できる。バッテリーグリップの着脱で大きさの調整ができ、画素数が増えているにも関わらず高感度耐性も向上した。ダイナミックレンジも広いように思える。ライブビューも備えていてWi-Fi接続によりスマートデバイスからのリモート撮影と画像転送も可能だ。画素欠けも生じたD2Xを使い続ける理由がほとんどなくなってしまったからだ。望遠撮影が多い私には35mmフルサイズセンサーのフラッグシップ機よりもNikon DXフォーマットのカメラのほうが使いやすいという理由もある。D2Xのデザインや操作したときのフラッグシップ機らしい確実な感触はいまでも好きだけどなあ。

*「東芝製とされる2,400万画素CMOSセンサー」:東芝がソニーにCMOSセンサー事業を売却すると報じられてれていた。D7200がそのあとわりと短期間で生産終了したのはきっとこのためだったのだろう

【撮影データ】
Nikon D7200/AI AF Nikkor ED 300mm F4S(IF)/RAW