2019年9月4日水曜日

【相鉄12000系電車PETIT撮影記事】そうにゃん、埼玉県に現る! 相鉄12000系電車川越線内試運転を撮る


■そうにゃん、ようこそ埼玉へ!
夜峰央原作の埼玉ディスリ漫画が原作の『翔んで埼玉』の映画を、最近になってようやく見た。自宅付近の劇場での上映は終わってしまい、さいたま新都心まで出かけた。同じ劇場で『天気の子』も上映されていて、むしろそちらを見るべきか、とも悩んだ。発売されたころに買って読んだ原作がアレだからなあ……そうして見終わって思った。「くっだらねー」と。これは、私なりのものすごいほめことばですよ。よくもまあ、映画化したわ。いろいろと笑えたし、GACKTもカッコよかった。埼玉の誇りを忘れるな、というGACKT演じる麻実麗のセリフは大事だからな。

そんな、海もないしなにもないと何度も繰り返し劇中で形容される埼玉県を走るJR川越線に、海のある相模国にある相模鉄道12000系電車が現れた。それも、そうにゃんの顔入りで「試運転」の行先表示も誇らしげに。なんかおもしろくねー! そう思ってついついカメラを持って川越線沿線に私は駆けつけた。


■ツイッター民のみんな、ありがとう!
大阪から帰ってきてそろそろひと月経つ。このところ私はSNSをすべて放置していた。元気がないわけではなく、むしろひさしぶりに体調がよくて生きているよろこびをあじわっていたくらいだ。けれど、夏の終りのセンチメンタルさもあるのか、なんとなく気が抜けていたというのが正しいかも。だから、ツイッターのアプリを立ち上げることさえしなかった。

そこへ、いつもおせわになっている『地味鉄庵』庵主おっとっとさんによる、埼京線・川越線用JRE233系電車7000番台車が相鉄線内に姿を現したというエントリー、あるいはインプレス『トラベルWatch』などで、11月30日開業の相鉄・JR相互直通線を経て相鉄12000系電車の試運転が新宿まで行われたニュースを目にして、ほほお、と興味を持った。そうしてグーグル検索をしてヒットしたのが、すっかり忘れていたツイッターだった。そこで、相鉄側の試運転列車が東大宮操車場や川越駅に到着したというエントリーを目にした。どうやら、2編成が試運転に用いられているようで、そのうち1編成は川越線の川越車両センターに入庫したようだ。ありがてえありがてえ。ツイッター民のみんな、いつもいつもありがとう。

私はふだんはネタ(特別な臨時列車)を撮影しに出かけることはしない。それでも、今日はむくむくと好奇心が頭をもたげた。そのツイートを見てから出発しても、試運転列車のうちの1本が今日も入庫するらしい川越車両センター付近なら間に合いそうだから、行ってみることにした。だって、なんかおもしろいじゃん(友人のよく使うフレーズ)





■なぜ「なんか、おもしろいじゃん」かというと
ではどうして「なんかおもしろい」のか。まず、川越線をふだん走らない、いままで走ったことがない車両が走るということ。それも、JRの他線区の車両ではなく、相模鉄道(以下、相鉄)の電車が走るのだ。

この相鉄、JR、そして東急による神奈川東部方面線についての細かい説明はここではしない。首都圏や大阪圏では最近は鉄道のネットワーク化が進められていて、既存の複数の路線をまたがって直通運転を行う列車をあらたに増やす方向にある。首都圏では東京メトロを介した相互乗り入れが多数行われている。近年では、東京メトロ副都心線を介して、東急・みなとみらい線と西武、東武の直通運転が定着した。湘南新宿ライン、上野東京ラインなどもしかり。そうしたなかで、さらにこの動きの追随するのがこの神奈川東部方面線といえるだろう。

ここで興味深いのは、横浜駅前の開発を主導した神奈川県内だけを走るあの相鉄が、自らのターミナル駅である横浜を通らない都心への直通列車を走らせる決断をしたこと。そして、その延長で埼京線・川越線、あるいは東京メトロ南北線、都営三田線を経て埼玉高速鉄道への直通も行う予定であるらしいというところ。このおもしろさは、興味のあるひとにしかわからないか。相鉄の社運をかけたダイナミックな変化であるとさえいえるから、といえばいいのかな。

私自身は相鉄には、小田急沿線の学校に通っていたころ以来ひさしく乗っていないので、相鉄の電車が川越に来たことへの大きな感慨があるとはいえない。それでも、見てみたいなあ、と思ったというわけ。

■雨の降るなか、荒川橋梁をわたって電車がやってきた
そんなわけで、南古谷から歩いて川越車両センターのそばを通り、留置中のE233系電車7000番台車、MUEトレインやクモヤ143を目にしながら歩いて、荒川橋梁手前のカーブにたどり着いた。ここは川越線の撮影地のひとつだ。平日だからそう人出は多くはないもののそれでも数人の先客がいて、みなさんの後ろからカメラを構えた。

私は出足が遅くて、到着したのは列車の予定通過時刻とされる時間の20分程度前だったろうか。それでも、上下1本ずつの列車が通過したので、事前に構図の確認もできた。そうして待っていると、荒川橋梁そばの踏切警報機の音が聞こえて……川越線では見慣れない紺色(YOKOHAMA NAVYBLUE塗装)の列車を姿を現した。わあ! そうにゃんがほんとうに来たあ! 




この列車は今日はなんでも、川越車両センターを出庫して東海道線根府川まで足を伸ばしたとか。私たちの目の前を通過し、ふたたび川越車両センターに入庫した。

しとしとと雨脚が強まるなかを南古谷まで歩いて戻った。車両センターそばの道から観察してみると、入庫した列車の車内から降りてきた係員のみなさんが列車の床下をのぞき込んだり、あちこちの確認をしていた。しばらく川越車両センターにいて、またあちこちで試運転を行うのだろうか。試運転がこうして本格化するのを見ると、いよいよ開業も間近なのだと思わされるし、新しい路線ができるという知らせには、わくわくさせられるね。




【撮影データ】
Nikon D7200/AI AF Zoom-Nikkor 80-200mm f/2.8D ED <NEW>/RAW/Adobe Photoshop CC 2019