2019年9月9日月曜日

【関西リハビリ鉄2019夏】南海高野線6000系撮影記 その2 泉北高速線を行く


■南海6000系電車に乗るのも、泉北高速鉄道もはじめて
8月上旬の曇り空の日のとある午後。数日後に退院を控えていた私は、「大阪でやり残したこと」の脳内チェックリストをあらためていて気づいた。「南海6000系電車を撮る」「泉北高速鉄道(以下、泉北線)に乗る」の項目のうち、前者は取り掛かっていても結果に満足ができず、後者はまだ取り掛かっていなかった。松原市の端、堺市にすぐ近く。府道堺大和高田線(大阪府道・奈良県道12号 堺大和高田線)をまっすぐ進めば阪和堺市駅と南海高野線堺東駅に出られるけれど、直線距離で行ったら三国ヶ丘駅(JRは「三国ケ丘」なんですね)が意外と近いのかも……というところにずっと滞在していると、南海高野線も泉北線も「いつでも行けるんじゃねー」という気がして、ついつい忘れがちだった。だが、残された時間は私には少ない。そこで、曇り空だから列車の走りをカッチョよく(あえていえば「エモく」)撮りづらいという日に、泉北線に乗りに出かけることにした。

それに、曇り空だからとといって病室にずっといるのを「病室におったらあかん」「運動せえ」が口ぐせの主治医の先生に見つかると、「今日はずいぶんゆっくりなんやね」などとからかわれるからな。


もっとも、ただたんに泉北線に乗るだけなら、堺東や三国ヶ丘、あるいは御堂筋線北花田から中百舌鳥まで出て乗ればいい。けれど、私にはもうひとつの下心……いやいや、目標があった。それは、南海6000系電車に乗ってみること。いままでたくさん見かけていても、乗ったことがなかったんだよね。そこで、まずは近鉄南大阪線で大阪阿部野橋に出てから、乗り換えて難波まで行ってみると……。

わあ! 区間急行和泉中央行きが乗りたい6000系電車だった! いきなりきた!



■これが泉北線かあ
泉北線というと、「青い縦線の入った塗装の南海と同型のステンレスカーが走っている」という印象ばかりが強い私は時代遅れな昭和生まれで、じっさいにはいまやむしろ「白地に青い横線と大きなSEMBOKUロゴの入った独自電車が主力」であることは、数回の訪問ですでに知っていた。運賃が高いニュータウンの鉄道という先入観もあったけれど、難波からの距離と値段は河内長野まで行くのと同じ程度らしい。だからといって安くはないけどね……。

さて、運よく南海6000系電車に難波で乗ることができた私は、まずは老優といってもいい電車が高野線内をぶっ飛ばしていく姿を味わった。どっしりとした走りがいい。そして、なるほど、区間急行が高野線と泉北線、そして地下鉄御堂筋線の乗換駅である中百舌鳥を通過するというのはこれかあなどと考えたり。そういえば、昨年夏に高野線にはじめて乗ったときに、まさしく中百舌鳥で泉北線から姿を現して通過していく6000系電車を見て、驚かされたのだった。

泉北線内に入って中百舌鳥隧道を抜けて、深井から先はたしかに、車線数の多い道路と並走して走るニュータウンの鉄道だった。首都圏だと、多摩ニュータウンを走る京王相模原線や小田急多摩線というよりもむしろ、北総鉄道の千葉ニュータウン中央とか、そのあたりに似ている。驚かされたのは勾配の多さだ。まるで地下鉄のように勾配がたくさんある。ただし、降りてみても線路沿いを歩けるわけではなく、どこかの立体交差から工夫しないと駅間では写真は撮りづらそうだ。泉北線内でなんとか撮ってみたいんだよなあ。

それから、泉北線沿線に実家があるというひとと会話していたときは気づかなかったけど、「栂・美木多」を「とが・みきた」と読むの! などという驚きもあった。「とがみきた」という音からは「戸上北」とか、そんな字を想像していたよう。


■和泉中央ではホームで激写!
泉北線自体は全長14キロ程度なので、中百舌鳥を通過した列車はがんがん飛ばしていって、深井から15分程度で和泉中央に着いてしまった。難波から乗り通しても30分程度(31分)だ。大阪圏は東京首都圏よりもコンパクトで、通勤通学するには移動距離が少なくすむのは埼玉都民にはうらやましいな、などと考えたり。

和泉中央に着いたとはいえ、ヲタなのでいちど改札外に出てからIC乗車券で新たに入場して、プラットホームに戻って6000系電車をしっぽりと激写していたので、駅前がどんなようすなのかを見なかった。またこの電車の折返しに乗るつもりだったからね。

駅構内はこうやっていま写真で見るといかにも「昭和のニュータウン鉄道」というデザインにも思える。もちろん、きれいに改装されていて時代遅れな雰囲気がするわけではない。





■名残惜しくて難波で少々撮ってみる
折返しの列車の種別は区間急行ではなく準急だった。難波までは35分とわずかに長くなる。中百舌鳥や堺東で下車するほうがもちろん滞在先には近い。けれど、時間はまだあるから、と難波まで戻って、プラットホームにいる列車をしばらく観察していた。行き止まり式のターミナル駅というのは、いろいろな列車がやってくるのがいちめんに見渡せるおもしろさがあるからね。





というわけで、曇りの日に和泉中央まで一往復しただけでも、南海6000系電車に乗ることができたのはうれしい。泉北3000系電車に乗るほうがむしろ待つ必要がありそうだ。こんどは泉北線内でどう撮るか。作戦を練ることにした。

【撮影データ】
Panasonic LUMIX DMC-GX7 Mark II/LEICA DG SUMMILUX 15mm F1.7 ASPH. /LUMIX G VARIO 45-150mm F4.0-5.6 ASPH. MEGA O.I.S./Adobe Photoshop CC 2019