■小田急8000系電車に遭遇して
とある朝早く、完全には目覚めぬままに私は小田急新宿駅にたどりついた。プラットホームに停まっていた小田原行き電車は、食パンみたいに野暮ったいステンレスの走ルンですではなくて、貴重な白い塗装の鋼製車8000形だった。目覚めきっていない脳みそに、白磁のようにつるりとした車体の白い肌がまぶしい。思わず触れてみたいという衝動にかられる。いや、電車だから停車中は触ればいいのですが、手は汚れるね。それはとにかく、白く輝く姿を見たおかけか、その後私はしばらく「誤作動」することになった。