2014年4月19日土曜日

【秩父鉄道C58363撮影記事】西日をあびて

CTK_C58363_with_Sakura_head_mark

■一日の運用を終えて入庫するC58363を見ていた
撮影したのはソメイヨシノが咲き始めたころだから、もういささか前になってしまった。「SLさくら号」のヘッドマークを着けた秩父鉄道C85363がSLパレオエクスプレスとして走った日のことだ。

CTK_C58363_at_Hirosegawara_freight_station

天気のとても変わりやすい日だったので、この日は5001列車が熊谷を出発したころは晴れていたのに、長瀞に着いたときには曇り。5002列車も三峰口を出て長瀞に着くころまでは曇り空のもとを走っていた。ところが、熊谷に着くころにはすっかり晴れ模様だった。

■あまりに光がいいのでずっと見ていた
写真は光がないと撮れないのはもちろん。それは概念的な意味ではなく、「絵になる」「絵にならない」という意味でも、いい光があってほしいとはみなさんもご存じのとおり。

そこで、あまりに斜光線の当たり方がいいので、C58363の入庫シーンを桜堤から見ることにした。

■まるで「中国の蒸気機関車の写真」のよう
平成になったころ、鉄道誌に中国の蒸気機関車の記事が流行った時期があると思う。日本ではそれまでその存在が知られていなかったこともあって、ツアーもさかんにあったようだと記憶している。

当時の中国の改革開放政策が始まり、外国人がある程度の範囲内であれば鉄道を撮ることが可能になったこと、外貨獲得のために中国側が撮影ツアー客を受け入れるようになったこと、大規模な開発のまえで中国にまだ蒸気機関車が残っていたこと、そして円高だったことがその理由にあるだろう。

中国の蒸気機関車を撮る何人かの有名な写真家がいたことを覚えているが、彼らの重厚な作風から、それ以来いまでも私には蒸気機関車を「色温度の低い光で逆光気味の絵」で撮ると、どういうわけか条件反射的に「中国の蒸機の写真」を連想してしまう。コダクローム64やフジクロームベルビア50あたりのハイコントラストな発色をするポジフィルムで露出アンダーにして逆光で撮った蒸気機関車の写真、という感じね。

■蒸気機関車はいいものだ
そんなことを考えながら桜堤からC58363にレンズを向けていた。それにしても、蒸気機関車を撮るというのは楽しい。まじめにねらえばなにかいい絵にできるかも。

【撮影データ】
Nikon D7000/AI AF Zoom-Nikkor 80-200mm f/2.8D ED <NEW>/RAW/Adobe Photoshop CC