2014年1月9日木曜日

【ニコンカメラ話】レンズ選びのこと

ちょっと悩んでAdobe Camera Rawで現像
先日、D2Xのことを書いてから遅まきながら思い出した。D2Xは2004年の発売当時、その実力を発揮するには「レンズを選ばないといけない」カメラだった。ミドルクラス機も1,200万画素をあたりまえに越えたいまでは気づきにくいかもしれないが、600万画素がひとつのスタンダードだった当時、その倍の1,200万画素とは従来のレンズ性能では限界を示してしまうひとつの境界だったようだ。


レンズは35ミリF2D。ちょっと地味すぎたか
D2Xで使うには、ある程度以上の解像力がないレンズでは後処理に手をかけないと使い物にならなかった。しかも、広角レンズは色ズレを起こす。その頃はラインナップがまだ限られていたGタイプニッコールを用いても、色ズレを起こしてしまうのだ。

解像力に関して悪さをしているのはご存知の通りローパスフィルターだ。ベイヤー配列の撮像素子を持つ大半のデジタルカメラには、格子状の画素が被写体のうちの高周波成分と干渉を起こすために生じるモアレを防ぐために、ぼかしフィルターとして「高周波成分カットフィルター」(低周波は通すから、光学「ローパスフィルター*」(OLPF))が撮像素子の前に用意されている。

このぼかしフィルターのせいで、デジタルカメラに対応していない*2(つまり、解像度の低いレンズ)はデジタルカメラで用いると、解像感の低い緩い絵にしかならない。ある程度絞れば改善されるが、大元の解像度がたいして高くないなら変わらない。

これらの問題は、ニコンではD3導入時に絵作り(ニコンの言い方だと「画作り」)の総合的な改定が「ピクチャーコントロール」として導入されて一般のユーザーには目立たなくなった。ピクチャーコントロールの各設定ではわりとくっきりめの輪郭強調とメリハリのあるコントラストを備えた設定が出荷時設定となり、カメラ側で色ズレを消す画像処理がなされるようになったからだ。初のフルサイズ機にさまざまなレンズが用いられること、報道現場や高年齢のパソコン処理に不慣れなユーザーが大幅に増えることを想定したのだと思う。

ピクチャーコントロールの輪郭強調は線が太すぎる*3、というユーザーもいた。画素数自体は多くなかったから、閾値と半径の設定が好みに合わないとそう見えた。自分であとで設定し直せばいいのだが。

さて、いまさらそんなことをつらつらと書いているのは、新しく出るレンズに興味もあり、現状の所有ボディでは所有する古いレンズでも何とかなるけど、逆光に弱いし、などと考えてしまうことがあるから。私が使っているのは高倍率ズームを除いては 絞り環*4のあるDタイプニッコールレンズ単焦点と望遠ズームレンズだ。普及形Gレンズよりはよほど線が細い描写だ。(というようなことを某所で書いたら、とある写真家に突っ込まれた。ブレんじゃねーぞ、とばっさーに突っ込まれたようなものか)。新しいレンズも使ってみたいし、ボディ内モーターのないボディに対応するレンズもあると便利ではある。

それにしても、エントリー機のD3300までローパスレスになったか。APS-Cで2,400万画素ならローパスフィルターなしでもいけるわけか。無効化ではなくほんとうにローパスレスならば、意地悪く言えばコストダウンにもなるしね。

このところ派手すぎたけど、これは地味だなー
*1「光学『ローパスフィルター』(OLPF)」:素材はハイエンド機には高価なニオブ酸リチウム、エントリー機には水晶が用いられており、カメラの中で一番値段が高い部品なのだそうだ。そして、ある程度以下の画素ピッチならばぼかしフィルターがなくてもモアレが発生しないという。撮像素子が小さく画素ピッチの小さいコンパクトデジタルカメラにはそもそもぼかしフィルターは用意されていない。そこで、最近はこのぼかしフィルターを備えないカメラや、ぼかしフィルターの代わりのモアレ防止策を撮像素子を露光中に微細に振動させて作り出すというクレイジーな(苦笑)機能で対応できることができるようになった。また、赤外カットフィルターに関してはここでは省いた。

*2「デジタルカメラに対応していない(レンズ)」:ここではビネットやデジタルゴーストの話は煩雑になるので省略した。

*3「ピクチャーコントロールの輪郭強調は線が太すぎる」:ピクチャーコントロールの線の太さは、印刷してしまう紙媒体なら力強くてむしろ好ましい。カラーノイズや輝度ノイズも網点でごまかされてしまうし。インクジェットプリントだと要注意。私はむしろ、ピクチャーコントロールの色作りにときどき不満があり、ああでもないこうでもない、といじくりながら決定打が見出せずにいる。いっそのことAdobeで現像するかなあ。

*4 「絞り環」:ニコンFマウントは登場時は口径が大きいとされたものの、デジタル時代のいまや後ろ玉を大きくとれないことに設計者には大変な苦労があるだろう。機械連動を行う絞り環がなくなり電子接点のみとなったのは、より正確な絞り制御を行うためだけではなく、少しでも後ろ玉を大きくするためなのではないか。前玉を大きくすることと全長を長くしても意図する性能を出すのは困難だったと思われるのが、オートフォーカスニッコールレンズがなかなか種類が増えなかったことからもうかがえる。しかも、瞳制限もなされたのだ。昔は前玉もそう大きくはなかったのだけど、これはもう止むを得ない。

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